トップページ > なっとく法律相談 > インターネット上の匿名同士の会話で侮辱罪は成立する?
なっとく法律相談 2008年11月25日 更新
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インターネットの掲示板上で、特定の個人ではなく、匿名の相手と喧嘩になってしまいました。お互い「バカ」等の罵り合いのみだったのですが、そのうち相手が「侮辱罪で訴える」と言い出しました。 相手の個人名や個人情報は晒していません。匿名同士で軽く言い争っただけなのですが、侮辱罪になりますか?
(不明:男性)
ご相談の場合、まったくの匿名同士の言い争いということですので、侮辱罪に該当しないと考えられます。
まず、侮辱罪とは、(1)事実を摘示しないで、公然と、(2)人を(3)侮辱した場合に成立する犯罪であり、拘留または科料の刑が法定されています(刑法231条)。
この侮辱罪は、人に対する社会の評価、世評、名声などの「外部的名誉」を保護するものだと考えられています(大判大正15年7月5日)。
侮辱罪が成立する典型的な事例は、路上などの公の場で、相手に向かって「バカ」等とののしった場合です。
同様に、インターネットの掲示板上であっても、個人名を挙げて「バカ」とののしることは、侮辱罪を構成します。
また、個人名を挙げなかったとしても、その他の記載を併せて考慮すると個人の特定が可能であるような場合も、侮辱罪が成立する可能性があります。
しかし、ご相談の場合のように、インターネットの掲示板上で、まったくの匿名同士の言い争いで「バカ」等とののしりあいになった場合、あなたが一体どこの「誰」に対して罵声を浴びせているのかは、あなたにすら分かっていません。
つまり、あなたの行為は、相手の主観的な名誉感情こそ害していても、相手の社会的評価、名声などの「外部的名誉」を害していないと考えられるのです。
よって、ご相談の場合、侮辱罪は成立しないといえます。
もっとも、法律上侮辱罪が成立しないとしても、あなたには道徳上、モラル上の責任はあります。
詳しいやり取りは分かりませんが、インターネットの掲示板であったとしても、実際に面と向かっては言えないような罵言は控えるのが賢明でしょう。
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