トップページ > なっとく法律相談 > 通販で商品を購入後、思わぬ料金を請求された!解約はできない?
なっとく法律相談 2008年12月15日 更新
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通販で美顔器が980円だったので購入。すると1ヶ月後に6000円する専用のジェルが着払いで届きました。業者に問い合わせると、「3回はジェルを買う条件で980円で売った。この事は記載している。絶対に買わないと駄目。肌に合わなかったら家族か足に使って下さい」とのこと。注文画面を見てもわからないし、解約の仕方も載ってない。メールの下に『注文前に読んで下さい』とかいてあるのに今気が付いたが、今読んでもよく分からない。肌が荒れたし、最初から別途18000円払うなら買わなかった。これは詐欺なのでは?業者は解約できないと言いますが、解約できるでしょうか。
(20代:女性)
契約は錯誤によるものであったから無効であるとして美顔器とジェルを送り返せば、既に支払った費用の返還を請求することができますし、残りの料金を支払う必要は一切ありません。
通信販売による被害を被った場合には、返品制度があれば返品をするのが一番分かりやすいのですが、ご相談の場合はおそらく返品できる旨の記載がない場合であると考えられるので、それを前提にご説明いたします。
まず、美顔器を980円で買うには別途3回も6000円のジェルを購入しなければならないという事実は、美顔器を購入するに当たって非常に重要な事実です。
そのようなことが広告に書かれていない、もしくは書かれていたとしても小さくて分かりづらかったとすると、事実を知っていれば美顔器を購入することはなかったとして、錯誤(思い違い)による無効を主張することができるでしょう(民法95条)。
錯誤による無効が主張されると、無効な契約にしたがってすでに引き渡された物は、不当利得となって返還義務が生ずるとともに(原状回復義務といいます。)、まだ履行されていない部分は、履行する義務は存在しないことになります。
そこで、あなたとしては、相手方に対して美顔器とジェルを送り返すとともに、内容証明郵便を使って、契約は錯誤により無効であるとして、既に支払った代金の返還請求をしてみるのが良いでしょう。もちろん、残り2回のジェルの料金を支払う必要はありません。
ただ、あなたがジェルを使ってしまっているときは、不当な利得があったとして(民法703条)、使ってしまった分の差額を請求される可能性があります。
それでも相手が代金の返還をしてこないときには、通常の民事訴訟と比べて手続きも簡単で、費用も少額であり、短期間で解決する「少額訴訟」の制度を活用しましょう。
これは、60万円以下の金銭を請求する場合に限って利用できる簡単な訴訟制度です。お近くの簡易裁判所に行けば、窓口に訴状の定型用紙が備えられており、1人で訴状が作成でき、原則として1回の呼び出し期日で審理が終わり、判決は即日言い渡されます。
もっとも、証拠が重要ですので、美顔器の明細書やホームページをプリントアウトした書類、内容証明郵便などの証拠書類などは大事に保管しておきましょう。
なお、インターネット上の表示があまりに悪質なようであれば、検察官や警察に対して、詐欺罪(刑法246条)で告訴(刑事訴訟法230条)することも可能です。
また、「特定商取引に関する法律」は、通信販売業者は返品の特約や販売条件を表示しなければならないとして定めていますが(11条、12条)、ご相談の業者はこれに違反していると考えられます。
主務大臣によって、その業者に1年以内の業務停止命令がなされることも考えられますので(15条)、経済産業省経済対策課またはお近くの経済産業局特定商取引法担当課に申出書を提出してみるのも良いでしょう(60条、主務大臣申出制度)。
最後に、今回のような「通信販売」の場合、一般的には広告を見た消費者が賞品の購入について余裕をもって考えることのできる取引であると考えられているため、訪問販売とは異なり、クーリングオフの規定は設けられていません。
それゆえ、被害の未然防止が大切になります。消費者としては、広告の内容をしっかりと見るとともに、販売業者の住所や名前がきちんと明示されているか、返品できるか否かが記載されているかなどを確認することが必要です。
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