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なっとく法律相談  2009年2月 4日 更新

別離した父親が申請した生活保護の回答書に、どう対応すればよい?!

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Q.

 先日、福祉事務所から、離婚で別離した父親の「生活保護決定に関わる」として、回答書送付の手紙が届きました。正直、母や私たち子どもを苦しめてきた者に援助など一切する気はありません。離婚後、母親に対する費用等の支払いも履行しておりません。交流はありませんし、所在も知りませんでした。私は現在仕事の関係で、一人暮らし(母とは別居です。)をしています。今後一切の連絡も取りたくないですし、同じような手紙も送付されたくありません。どう対応すべきか、今後の影響等も含めて助言していただければと思います。

(30代:女性)

A.

 生活保護の申請があると、福祉事務所は、申請者の「扶養義務者」に、扶養の可否を照会することとされています(生活保護法4条2項)。
しかし、これはただの調査に過ぎず、福祉事務所から照会書面が送られてきただけでは、あなたにお父さんに対する扶養義務が自動的に発生したり、強制されるようなことはありません。

 もちろん、法律的にいえば、離婚して別離した父親であっても、直系血族であることに変わりはありませんので、あなたは父親の「扶養義務者」であることになります(民法877条)。
  ただ、子が親を扶養する場合などには、「生活扶助義務」といって、自分の生活を犠牲にしない限度で援助すればよいと考えられています。すなわち、その人なりの社会的にふさわしい生活を送ってもなお、ゆとりがある場合に、そのゆとりの範囲内で扶養をすればよい、というゆるやかな義務です。
  仮に、あなたに扶養能力があるとしても、扶養の程度については、当事者間の協議で決め、まとまらなければ家庭裁判所の調停にかけ、それでもまとまらなければ、家庭裁判所が審判で決めることになります(民法877条2項、家事審判法9条1項乙類第8号、17条)。

 家庭裁判所が審判で決めるとしても、ご相談の場合のように、お父さんと長い間疎遠であって、しかもお父さんがあなたに対する扶養義務を果たしていなかったような場合には、その点を考慮した審判がなされるでしょう。
  以上により、あなたにお父さんの扶養能力がないのであれば、照会書に、自分の生活で精一杯なので無理であると回答すればよく、福祉事務所からそれ以上の追及を受けることはないと考えられます。
  また、これまでの経緯から、お父さんとは長い間絶縁状態にあるため、今後同じような手紙を送らないでほしい旨を照会書に書けば、福祉事務所も考慮してくれるかもしれません。

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