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なっとく法律相談  2009年4月 6日 更新

入社直前に会社が倒産して採用が延期された!損害賠償を請求できる?

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Q.

 今年の4月1日から新卒の社会人として働きだす予定でしたが、その会社が景気悪化の影響を受け、突然2月25日に民事再生法を適用し倒産してしまいました。内定者取り消しという措置はなかったものの、入社日が6月1日に延期され、それに対する補償は全くなく、アルバイトをして生活費を稼がなくてはならなくなりました。また給与が減額となり、内定時に提示されていた雇用条件が大幅に変更されました。再建の為にこのような措置をとることは仕方ないようにも思えますが、一方的に学生に不利な条件をつきつけるというのは、不条理に感じました。会社損害賠償を請求することは可能でしょうか?

(20代:男性)

A.

 損害賠償を請求できると考えられます。

 あなたと会社との間の労働契約は、会社から採用の内定をもらった時点で成立しています。入社時には、労働契約の効力が発生するだけです。

そして、採用内定後に、入社日を繰り下げ(採用延期)して自宅待機をさせるような場合は、会社の都合による「労働義務の免除」ないし「労務の受領拒否」であると考えられます。 
このように、会社の責めに帰すべき事由によって労働義務を履行することができなくなった場合、労働者は、反対給付である賃金を受ける権利を失いません(民法536条2項)。 
よって、あなたは、会社に対して、4月分と5月分の賃金の全額を請求することができるのです。請求できる賃金の金額は、内定時に提示されたそもそもの労働条件に基づく請求ができるでしょう。
労働契約を変更するには、基本的に労働者の同意が必要であるとされているので、あなたが変更後の労働条件に同意していない限り、内定時に提示された労働条件に基づく賃金を請求できると考えられるからです。

また、民法以外に、労働基準法でも、会社の都合によって労働者が働けなかった場合の補償に関する定めがあります。
休業補償(休業手当)というもので、休業の理由が会社にある場合は、通常の給料に対して最低60%の金額を支払わなければならないとされています(26条)。
これに違反した場合、罰則として30万円以下の罰金が定めているので(120条)、労働基準法違反を理由に、労働基準監督署に相談するのも良いでしょう。

 以上により、あなたは、会社に対して、民法に基づく賃金全額の支払請求をすることもできますし、あるいは、労働基準法に基づく休業補償を求めることもできます。
もっとも、一人で対応や交渉をするのも不安があると思いますので、まずは会社の労働組合に相談に行き、団体交渉による解決を図ってみてはいかがでしょうか。
それでも会社が応じない場合には、会社に対して内容証明郵便などで賃金の支払いを請求し、さらに支払わないようであれば、裁判を起こすことになるでしょう。

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