トップページ > なっとく法律相談 > 両親を養ってきた長男も相続分は平等?(寄与分)
なっとく法律相談 2001年12月 3日 更新
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父の遺産相続で「すぐに金が必要だ」と言う次男に法定相続分の3倍を渡しました。そのかわり母の遺産相続時には長男である私がその全てを受け取る条件で私の相続分は法定相続分以下の土地建物を受け取り分割協議書を作成しました。
ところが、今年母が亡くなり改めて遺産分割協議を行ったところ、次男は法定相続分を要求してきました。父の遺産相続時の約束など口約束で何の効力も無いと言い、家庭裁判所での調停も辞さないと言っております。
母の遺言書もなく父の時の協議書にも約束事はうたってはおりません。したがって、このままでは次男の言う通りになってしまいそうなのです。
父母の意志を継ぎ実家を守り、自分の給料で父母も養ってきた私自身もやりきれませんし、母の面倒を一手に引き受けていた妻も可哀想でなりません。
できれば兄弟の協議で円満に解決したいと思います。
良きアドバイスをよろしくお願いします。
(30代後半:男性)
「父の遺産相続時の約束など口約束で何の効力も無い」との弟さんの主張は正当といわざるを得ません。
「母の遺産相続時には長男である私がその全てを受け取る」という条件は、母の遺産については、他の兄弟は相続の放棄を行い、あなたがすべてを相続するということだろうと思われますが、被相続人の生前における相続放棄の約定は、法律上は無効と考えられています。このような約束を有効とすると、生前に推定相続人に強制して相続を放棄させるなど、様々な弊害が考えられるからです。
したがって、仮に分割協議書にその旨が記載されていたとしても、効力を有せず、放棄を約定した相続人は放棄するか否かを自由に決めることができます。
もっとも、あなたのようにあなたの収入で父母を養ってきたような場合、寄与分(民法904条の2)が認められる場合があります。
寄与分とは、被相続人の財産の維持、増加に特別の寄与をした相続人のとり分のことですが、寄与分が認められるためには、通常の家族間の相互扶助の域を超えた「特別の」寄与行為が必要です。単に扶養したとか介護したというだけでは足りません。
具体的に類型として挙げられるのは、
があります。
あなたの場合には、扶養型にあたると思われますが、具体的にどの程度被相続人の財産の維持・増加に寄与したのかについて主張する必要があります。また、寄与分が認められるのは、共同相続人のみですから、相続人でないあなたの妻の寄与行為については、あなたのためにしたものとみて、あなた自身の寄与に含めることになります。
寄与分額は、相続財産の維持・増加との関係で相対的に評価されますから、一定の金額が決まっているわけではありません。そこで、寄与分額は、まず、「共同相続人の協議で定め」ることとされ(民法904条の2第1項)、協議が調わない場合は、家庭裁判所の調停・審判によることになります(同条2項)。
寄与分が認められる場合、寄与者の相続分は、相続開始時の相続財産の価額から寄与分を控除して共同相続人の相続分を算出した額に寄与分を加えたものとなります(同条1項)。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日