トップページ > なっとく法律相談 > 1年前のホストクラブのツケ、支払わないといけない?
なっとく法律相談 2009年6月 8日 更新
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おととしホストクラブに飲みに行き、50万の掛け金(ツケ)をしてしまいました。1年連絡がなかったのですが、1ヶ月くらい前にいきなり回収業者という人から電話がかかってきて、払えと言われました。しかし、現在は出産して働けないので払えません。電話に一度出られない事があったとき、連絡とれなくするならどんな手をつかっても探し出して家まで行くよと言われました。どうすればよいですか?
(20代:女性)
ホストクラブ側から債権の譲渡通知が届いていない限り、回収業者に対して代金を支払う必要はありません。また、時効が成立している可能性もあります。
債権は、自由に譲渡することができます(民法466条1項)。
しかし、債権を買った者が、債務者に対して、自分が新しい債権者であることを主張するためには、条件があるのです。
その条件とは、「債権を売った者が、債権を誰々に売ったことを債務者に通知する」か、あるいは「債務者が承諾する」というものです(民法467条1項)。
つまり、ホストクラブから「回収業者に債権を譲渡した」という通知が届いたか、あなたが債権譲渡を承諾していない限り、回収業者に対して掛け金を支払う必要はないのです。
しつこく迫ってきても、「譲渡人から債権譲渡通知を受け取っていませんから、あなたに支払う義務はありません」と主張すればよいでしょう。
また、債権管理回収業を行うことができるのは、弁護士、弁護士法人のほか、法務大臣によって許可された株式会社に限定されています。「債権回収会社」の名称は、許可された会社しか使用することができません(許可を受けていない会社が使用した場合、100万円以下の罰金です)。
あなたに支払いを請求してきている「回収業者」が、法務大臣によって許可された会社であるか否かを、以下の法務省のホームページで確認してみると良いでしょう。
債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧(法務省大臣官房)
仮に、債権の譲渡通知がなされており、回収業者に対して代金を支払う必要がある場合でも、時効を主張できる可能性があります。
お金を支払ってもらえる権利は、原則として「10年間」行使しないと消滅してしまいます(消滅時効、民法167条)。
しかし、飲食店での代価やタクシー料金など、日常の取引による債権で、額も大きくないものなどについては、例外として権利が消滅する期間が短く定められています(短期消滅時効)。
ホストクラブという、ホストがお客さんの接待をする飲酒店での代金も、飲食店での代価にあたります。そのため、ホストクラブ側が、代金を請求できる時から「1年間」権利を行使しないと、その権利は消滅します(民法174条4号)。
ご相談のメールの限りでは明らかでありませんが、あなたがホストクラブで掛け金をしてから1年が経過している場合には、時効が成立しています。ホストクラブや回収業者に対して、「時効が成立しているから支払う必要はない」と主張すれば、代金の支払いを免れることができます。
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