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なっとく法律相談  2009年11月24日 更新

娘の結婚相手の素行を調査したい!

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Q.

 私の娘は16歳になりますが、携帯電話の無料ゲームサイトで知り合った30歳位の男性と親しくなり、結婚したいと言うようになりました。しかし未成年という事もあるので、夫婦で二十歳まで認めないと言い聞かせております。この先、相手を興信所で素性調査してもらい、娘にふさわしくなくて別れさせた時やもし相手に調査されたという事がわかったときなど、私たちはプライバシー侵害罪にあたってしまうのでしょうか。教えて下さい。

(40代:男性)

A.

 刑法上「プライバシー侵害罪」という犯罪はありません。ただ、調査の方法や内容によっては、男性から損害賠償を請求される場合があるので、興信所によく確認してから依頼しましょう。

 どこに住み、誰と暮らし、どこの会社に勤務しているかなどの事実は、個人的な情報として他人にみだりに知られたくない事実であり、プライバシー権(憲法13条)で保護されるべき情報にあたります。
  このような情報を、探偵や興信所によりみだりに調べることは、場合によってはプライバシー権の侵害となります。
  もっとも、刑法上「プライバシー侵害罪」という犯罪があるわけではありません。プライバシー権の侵害を理由にして、民事上の損害賠償を請求できるのみです(民法709条710条)。
  具体的に、どのような場合にプライバシー権の侵害となるかは、(1)調査の目的の正当性(2)調査の必要性(3)調査方法が平穏なものであるか(4)調査内容の妥当性などを総合的に考慮して判断されます。
  ご相談の場合、(1)娘さんは16歳の未成年ですから、親の保護下にあります。その娘さんが結婚を考えている相手の素性がまったく分からず不信感があるとのことであれば、調査の目的の正当性は認められるでしょう。また、(2)娘さんが自分からは相手のことを話してくれないのであれば、興信所を通じて相手の素性を調査する必要性もある程度認められます。
  そのため、(3)調査方法が平穏な聞き取りなどにとどまり、(4)調査内容も住所や氏名などある程度公開され、周辺に知られることが当然である情報であれば、男性側のプライバシー権を侵害しているとまではいえないでしょう。
  これに対して、(3)盗聴や盗撮、住居への無断侵入などは調査方法として許されません。また、(4)思想信条に関する情報や病歴や財産関係などの情報は、他人に知られたくない事項といえるので、調査内容の妥当性が認められないでしょう。

 仮に、興信所が違法な調査活動をした場合、男性はプライバシー権の侵害を理由に、まず興信所に対して損害賠償を請求することが考えられます。ただ、調査の依頼者であるあなたが、違法であることを承知で、興信所に対し積極的に違法な調査を求めた場合など、そのかかわり具合によっては責任を負う場合もありえます。
  そのため、興信所や探偵に調査を依頼する場合は、どのような方法で調査をするのかを聞き、違法な調査が行われないか確認しておくことが必要でしょう。

 また、調査結果の使い方にも注意してください。調査結果を、娘さんに示して説得するだけなら問題ありませんが、多数人に示して言いふらしたりすると、名誉毀損罪侮辱罪が成立することがあります(刑法230条1項、231条)。

 なお、仮に親の強い働きかけによって二人が婚約を破棄した場合、男性は、婚約を破棄した娘さんに対してだけでなく、親に対しても、婚約破棄を理由にして慰謝料を請求することが可能です。

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