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なっとく法律相談  2009年11月30日 更新

許せない!会社の圧迫面接

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Q.

 面接で質問されて答えたら、「今はそんなこと聞いてない!コミュニケーション能力がないの?」とか「緊張してるの?緊張も実力のうちだから。うちは緊張してるとか配慮しない。むしろマイナス。」とか言われて、しゃべれなくなりました。そうしたら「こんなんで営業できるわけ?」と言われて質問攻めにされました。しかも難しい質問ばっかり。答えられなかったらまた責められました。これはまだましなほうだと思いますが、面接のときにセクハラ発言だとか差別的な言葉、圧迫面接で傷つくようなことをわざと言うことに対して、法律的な制限はないのですか?

(20代:女性)

A.

 業務と関係のない差別的・侮辱的な発言などには、名誉毀損侮辱が成立するので、刑事上や民事上の責任を問うことができることがあります。

 就職の場では、人物像や能力を見たり聞いたりするために、直接会って対話などをする「面接」が行われます。面接担当者や職種によっては、状況判断能力を見るために、応募者に対してわざと高圧的な態度を取ったり、応募者の嫌がる内容を質問したりする「圧迫面接」を行う場合も多いようです。
  しかし、応募者の資質を適切に判断したいからとはいえ、業務に求められる資質があるか否かの判断に直接関係を有しないような内容、たとえば差別的・侮辱的な発言行為は許されません。
  具体的に、度を越えた圧迫面接では、名誉毀損罪や侮辱罪の成否、そして民事上の損害賠償請求が問題となるでしょう。

1、名誉毀損罪
 公然と事実を示して、人の名誉を毀損した場合は、その事実の有無に関わらず、名誉毀損罪が成立します(刑法230条、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金)。
  面接の場合、「公然と」といえるかが問題となりますが、面接官が複数人いたり、集団面接など応募者が多数人いたりする場所であれば、要件を満たす場合があると考えられます。
  このような場所で、多数人に対して、その人の社会的評価を落とすような事実を示した場合は、名誉毀損罪が成立します。告訴すれば刑事犯罪に問うことができます。
2、侮辱罪
 名誉毀損罪に該当する場合のように、事実を示す方法によらなくても、公然と人を侮辱すると、侮辱罪が成立します(刑法231条、拘留又は科料)。
  面接官が複数人いたり、集団面接など応募者が多数人いたりする場所で、面接官が、その人の社会的地位を軽蔑するような差別的な発言やセクハラ発言などをした場合には、侮辱罪が成立するのです。告訴すれば刑事犯罪に問うことができます。
3、民事上の損害賠償請求
 名誉毀損罪や侮辱罪が成立するような違法な圧迫面接が行われた場合には、それにより精神的苦痛を被ったとして、不法行為に基づく損害賠償を請求できます(民法709条710条)。

 ご相談の場合、営業担当を募集している会社の面接で、質問攻めにあったとのことです。営業としての資質を見極める質問の範囲内か否かの判断は難しいところですが、多数人がいる場所で、あなたの容姿や過去の経歴に対する侮蔑的な発言があったのであれば、名誉毀損や侮辱が成立する場合があるでしょう。告訴して刑事上の責任を問うこともできますし、民事上の責任として損害賠償を請求することもできます。

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