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なっとく法律相談  2010年5月12日 更新

借地の補修は借地人がするべきか?

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Q.

 20年前に借地契約を結び、その土地上に建物を所有しています(住んではいません)。この春に契約の更新だったのですが、その契約書の条項の一つに、「乙(賃借人)は、本件土地の維持管理に意を用い、がけ崩れや陥没などがあるときは、直ちにこれを補修しなければならない」という条項がありました。これを削除してくれないかと提案しましても、相手方は受け入れてくれなさそうでした。このような条項も、有効なのでしょうか。

(60代:女性)

A.

 そのような特約も有効ですが、賃貸人が修繕義務を負うべき場合もあるでしょう。

 賃貸借において、目的物の使用・収益に必要な修繕義務は、賃貸人が負うのが原則です(民法606条1項)。借地契約でいえば、借地にがけ崩れや陥没があった場合は、賃貸人が修繕するのが原則です。
  しかし、当事者間で特約を交わすことにより、一定の範囲で修繕を賃借人の義務とすることができます(最判昭和29年6月25日)。
  そのため、あなたの契約書中の「乙(賃借人)は、本件土地の維持管理に意を用い、がけ崩れや陥没などがあるときは、直ちにこれを補修しなければならない」という条項も、特約として有効です。
  ただ、いかなる場合にも賃借人が土地の破損箇所を自己の費用で修繕し、賃借当初と同一状態で維持しなければならないとまではいえないでしょう。
  特約の趣旨をどう解釈するかの問題になりますが、がけ崩れや陥没の程度、地代の設定料の高さ、契約に至った経緯など、個別的な事情によっては、必ずしもこの特約が及ばない場合も考えられます。

 ご相談の場合も、将来の紛争を未然に防止するという観点から、相手方との話し合いで、この条項を削除できれば望ましいです。
  しかし、たとえ相手方が削除してくれなくても、前述のようにこの特約の趣旨が及ばない場合もあります。実際にがけ崩れなどの問題が起こったとき、あなたが常に土地の補修をしなければならないということはありません。

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