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なっとく法律相談  2002年2月 6日 更新

葬儀費用は誰が負担するの?

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Q.

 父の姉が亡くなり、葬式を嫁ぎ先が出しました。
 ところが先日父に「立替金である葬式代を払って欲しい」という内容証明が姉の夫の兄弟の子から父宛てに届きました。
 父は姉の家(姉名義)を処分して残った分から支払うと言っていますが、例えば遺産が残らない場合、父が支払わなければならないのでしょうか?
 父の姉の夫は7年前に他界、籍も抜いておらず子はいません。
 また父は5年間姉の世話をしていました。
 他に2人の兄弟がいます。姉の夫の兄弟も4人います。
 支払いは当然としても、葬式代一式のうちお茶代なども支払わなければならないのでしょうか、また、香典分を差し引いて支払うことは可能でしょうか。

(30代前半:女性)

A.

 葬式費用については、債権者(お寺や葬儀屋等)の先取特権(他の債権者に先立ち、債務者の財産から支払いを受ける権利)が相続財産等の上に成立すること(民法309条)、および相続税の控除の対象となること(相続税法13条1項2号)が規定されているくらいで、誰が負担すべきか定めた法律の規定はありません。

 そこで、誰が負担するかが問題となりますが、学説や裁判例を総合すると、後で述べるように葬式費用はまず香典で賄い、その不足分は相続財産の中から支払い、さらに不足するときは相続債務に準じ、その相続人が相続分に応じて負担すべきものと考える見解が有力です。

 まず香典については、基本的には葬式費用の一部を負担する、つまり死者の家族の負担を軽くすることを主たる目的とした、相互扶助の精神に基づく金銭その他の財物の贈与と考えられます。もっとも、香典は受取人である喪主に対する一種の贈与といえますので、これをどう使うかは喪主の自由ではありますが、上のような香典の性質を考えると、香典をまず葬式費用に充てるべきといえるでしょう。そのうえで、葬式費用が賄えなかった場合には相続財産から支払い、それでもなお不足する場合には、相続債務に準じ、その相続人が相続分に応じて負担するということになるでしょう。

 もっとも、上で述べたように、葬式費用を誰が負担するかについては、法律上決まっているわけではありませんから、地方の慣習や故人との関係などを考慮しつつ、関係者の話し合いによって誰がどの程度負担するか決めるのが望ましいといえます。ただ、不相当に盛大な葬式を行ったために葬式費用が過大となった場合には、これを主張ないし支持した人がその分を負担すると考えるのが妥当でしょう。

 以上より、葬式費用を負担した人は、自ら負担するつもりで拠出したのでない限り、香典や相続財産から支払を受けることができるということになると思われます。

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