トップページ > なっとくアンケート > 教育基本法の改正 - 「愛国心」教育について
なっとくアンケート 2006年5月 2日 更新
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現在、教育基本法改正の議論が活発になされています。改正案での最大の争点は、教育基本法に「我が国と郷土を愛する」(以下、「愛国心」という)を盛り込むべきではないか、というものです。このような考えは、個人主義が重要視されすぎている現在の日本社会で日本人が古来大切にしてきた礼節や親孝行という価値観が失われつつあることに鑑み、もう一度わが国の優れた文化を再認識して、「秩序ある道義国家」を足元から築いていくために、教育基本法に「愛国心」を盛り込むべきだとしています。その背景には、現在の家庭の崩壊や犯罪の増加によって日本の社会が荒んでいることに鑑み、わが国の「和を重んじる伝統と文化の尊重」をもう一度見直すべきであるという考えがあります。これに対し、「愛国心」を教育基本法に盛り込むと、過去の歴史からみて戦前・戦中の国粋主義につながるおそれがある、他の国よりも自国を優先する意味合いが強すぎる、内心の自由が侵される、といった理由から反対する意見があります。
さらに、教育基本法は成立過程やその基本思想から憲法と一体性をもっているため、教育基本法改正と同時に憲法改正の議論まで生じています。
そこで今回は、日本の将来を担う子供の教育に関わる教育基本法改正問題について皆様と一緒に考えてみましょう。
教育基本法とは、1947年に公布された日本の教育制度の基本原則を定める全11条からなる法律のことをいいます。前の年に公布された日本国憲法の思想を受け、民主主義的な教育理念を掲げたもので、具体的な制度などには触れていません。教育基本法は、設立経緯や条文内容からも憲法と一体性をもっており、憲法に準ずる「準憲法」と考えられています。教育基本法の前文では、「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。」と規定しています。
平成18年4月13日、与党教育基本法改正に関する協議会において、前文と全18条で構成される教育基本法改正の与党案が決定されました。その前文では「個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期する」とする基本理念を掲げています。
改正案では、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」という文言が盛り込まれています。また、義務教育については、幼児教育を含める年限延長を視野に、「9年」と定めている規定を削除しています。
新たに盛り込んだ「生涯学習の理念」では、「あらゆる機会に、あらゆる場所において学習すること」を可能とする社会の必要性を明記しました。
アメリカ・ドイツでは、教育に関する事項は基本的に州の専権事項とされているので、連邦レベルでわが国の教育基本法に相当するものはありません。ただし、具体的な全国教育目標を定めた法律はあります。イギリスでは、わが国の教育基本法に相当するものはありません。一方、フランス・韓国では、教育基本法が制定されています。また、中国では、教育法が制定されています。
もっとも、愛国心の育成といった国家主義的な教育目標をはっきりと打ち出している国はほとんどありません。
国家が法律に盛り込むことによって「愛国心」を強制すべきでしょうか。この問題については、賛否両論あります。
反対の立場を採る理由には様々あります。主なものを以下に挙げてみます。
以上に対し、賛成の立場をとる理由にも様々あります。そのうち主なものを挙げてみます。
結局、反対する人達が憲法を根拠にするのは、愛国心教育の中に戦前の礼節や親孝行を重視した儒教的価値観を見い出し、この価値観が戦前の国家主義・全体主義の基礎になったとの思いがあるからでしょう。戦後の憲法はこのような価値観を否定し、「個人の尊厳」を何よりも重要な価値として出発したと考えています。
これに対し、賛成する人達は、個人を大事にすることも結構だが、現在の日本の社会では個人主義の行き過ぎから多くの弊害が家庭や社会に出ている。この個人主義の行き過ぎを修正するものとして日本人が古来大切にしてきた礼節や親孝行、思いやりを愛国心教育で再び取り返そうと考えているのでしょう。
さて、あなたはどう考えますか。
以上
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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