パラリーガル情報 自己破産・債務整理

トップページ > なっとくアンケート > 利息制限法と「グレーゾーン金利」について

なっとくアンケート  2006年6月 6日 更新

利息制限法と「グレーゾーン金利」について

トラックバック(0件) ブックマーク:このエントリーを含むはてなブックマーク(0) Yahoo!ブックマークに登録(0) この記事をLivedoor クリップに追加(0)

1.はじめに

 皆さんはご存知ですか。お金を借りるとき、利息はいくらまで払えばよいか。法律は次のように定めています。

  • 元本が10万円未満の場合は年20%
  • 元本が10万円以上100万円未満の場合は年18%
  • 元本が100万円以上の場合は年15%

です。
しかも利息がこの制限を超えた場合は、その超えた部分は法律上無効だ、としています。
利息制限法1条1項)

 ところが、法律上無効であるにもかかわらず、いわゆる消費金融の大手は、例えばプロミス・アコム・アイフルで23~24%、武富士で25~26%の金利を取っています。

 なぜ、こういうことが許されるのでしょう。
 それは、利息制限法と同じ時期にできた出資法が、その5条で次のように定めているからです。
 貸金業者が貸付を行う場合、年29.2%を超える利息をとる契約をした場合は、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に処す、としています。逆に言うと29.2%を超えなければ処罰されないわけです。ここに、「法律上無効であるけれども取っても処罰されない金利」(利息制限法の制限を超える29.2%以下の金利)が発生します。これがいま問題となっている「グレーゾーン金利」です。

 さらに、その後にできた貸金業規制法は、貸金業者が貸金契約書を借主に交付し、支払を受けたときに直ちに受取証書を交付しているときは、グレーゾーンの利息の支払を受けたとしても借主が任意に利息として支払った場合は有効な利息の弁済とみなす、と定めています。(いわゆる「みなし弁済」 ―― 43条17条18条

 これにより、消費者金融は事実上、利息制限法を超えた高金利で、莫大な利益をあげてきました。

2.なぜ法律はこうなっているのでしょう

 なぜ、出資法や貸金業規制法は利息制限法の制限金利を無意味にするようなことを定めているのでしょうか。

 それはこういうことだと思われます。すなわち、庶民の日常生活の中でお金が必要なせっぱ詰まった需要というのは古今東西どこでもあります。こういうときに気軽に借りられる所があるというのは庶民にとっては必要なことです。ところが、こういう庶民の多くは無担保者層がほとんどです。銀行はこういう人達を相手にしませんから、こういう困った人達が気軽に借りられる制度を設けるのは、本来は政治の責任でしょう。

 しかし、政治もそこまでは面倒は見きれないと考えたのでしょう。「法律上無効ではあるけれども、取っても処罰はしない」というグレーゾーン金利を認めることにより、消費者金融に制度の欠陥の補填をさせているといえます。建前と本音を使い分ける政治の巧妙なテクニックです。だからこそ、小泉首相もグレーゾーン金利を撤廃することについて「法律で決めるとヤミ(金融)がはびこる。貸す方も悪いが、借りる方も悪い。どういう影響がでるか、十分考えなければならない」(5月19日、日経新聞)と消極的発言をしているのでしょう。 

3.裁判所の姿勢

 これに対し、裁判所は利息制限法の趣旨を生かすべく、債務者保護の判断を早くから示してきました。例えば

  1. 「債務者が任意に支払った利息制限法の制限超過利息は、当然に残存元本に充当される」としました。(最大判S39.11.18)
  2. 利息制限法1条2項に「債務者は、制限超過利息を任意に支払ったときは、その返還を請求することができない」とあるにもかかわらず、「制限超過利息を任意に支払った場合において、制限超過部分の元本充当により計算上元本が完済となったときは、債務者はその後に債務の不存在を知らないで支払った金額につきその返還を請求することができる」としました。(最大判S43.11.13)
  3. さらに、先程の「みなし弁済」に関して、今年の1月に次のような判例が出ています。これは、利息制限法を超える利息の貸金契約で、元本又は利息の支払を遅滞したときには、当然に期限の利益を失い、直ちに元利金を一括して支払うという、期限の利益喪失特約がついていた事案です。この場合「期限の利益喪失約款がついていることにより、借主は、元本と利息制限法超過利息を含めた利息を期日に支払わなければ、直ちに一括して残元本金額と遅延損害金を支払わなければならなくなると誤解する。その結果借主は、そのような不利益を避けるために、制限超過利息を支払うことが事実上強制されることになる。従って、期限の利益喪失特約の下で、借主が上記のような誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り、借主が任意に(自己の自由な意思で)制限超過部分を支払ったとはいえない。本件では特段の事情が認められないから『みなし弁済』とはいえない」とし、事実上、グレーゾーン金利を認めないとしました。(最判平18.1.13)

4.あなたはどう考えますか

 従来、消費者金融は建前と本音を使い分ける政策の流れに乗り、借り手の年収を上回るような過剰融資に走り、無人機での安易な貸し付けをし、貸付け額と利益を大きく増やしてきました。その上、一部の消費者金融では違法な取り立てまでして、業務停止処分を受けています。

現在、多重債務者は全国で200万人とも言われ、深刻な社会問題になっています。だからこそ金融庁の有識者懇談会でもグレーゾーン金利の廃止が問題となっているのです。廃止を主張する者は、過剰融資と高金利こそ多重債務の原因だから廃止すべきだと主張します。これに反対する者は、利息の引き下げで多重債務者はなくならないし、グレーゾーン金利を廃止すれば無担保者に、返してもらえないかも知れないリスクを負って低金利でお金を貸すものはいなくなるから、庶民がお金を借りることができなくなり、ヤミ金融が増える恐れがあると主張します。

さて、あなたはどう考えますか?
アンケートにお答え下さい。よろしかったらあなたのご意見も聞かせて下さい。

  • 過剰融資や安易な機械による貸付、違法な取立等を行わないように法令を遵守させつつ、グレーゾーン金利は維持すべきである。
  • グレーゾーン金利自体を廃止すべきである

連情報

トラックバック

メールマガジン「知らなきゃ損する面白法律講座」

まぐまぐ!殿堂入りメールマガジン」に選ばれた、法律関係では購読者数No.1のメルマガを毎週火曜日にお届けします。登録は無料です。(詳細

登録はこちらから 

な検索ワード RSS 1.0

第1位
友人 (52)
第2位
会社 or 倒産 or 役員 or 責任 or 債務 or 業績不振 or 役員報酬 (489)
第3位
に対して (443)
第4位
法律 or 雇用 or 会社倒産 (292)
第5位
土地 (67)