トップページ > なっとくアンケート > 出生前診断に基づく人工妊娠中絶を認めるべきか
なっとくアンケート 2007年1月 9日 更新
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わが国では、毎年、約100万人から120万人の新生児が誕生しています。平成17年度の出生数は、前年に比べて約5万人減の106万2530人でした。
この約100万人の出生者のうち、約1万人の人が出生前診断を受けています。出生前診断とは、胎盤になる絨毛や、羊水に含まれる胎児の細胞、胎児の血液などを用いて、胎児の染色体や遺伝子の異常を調べる診断方法のことです。医療科学の進歩により、胎児がもつ特性を出生前に知ることができるようになりました。
出生前診断を受けた結果、胎児に先天性異常が発見された場合、懐胎者が人工妊娠中絶を希望する可能性があります。このような人工妊娠中絶を認めるべきでしょうか。
このような人工妊娠中絶は現行法ではどうなるのでしょうか
刑法212条は、妊娠中の女子が薬物を使い又はその他の方法により堕胎したときは、1年以下の懲役に処すると規定しています(堕胎罪)。また、同法214条は、医師等が女子の嘱託を受け又はその承諾を得て堕胎させたときは3月以上5年以下の懲役に処すると規定しています(業務上堕胎罪)。
これに対して、母体保護法14条1項は、指定医師は次の各号のいずれかに該当する者に対して、本人および配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができると規定しています。
この母体保護法の要件に該当すれば、人工妊娠中絶を行ったとしても、依頼者・指定医師は、堕胎罪・業務上堕胎罪によって処罰されることはありません。
しかしながら、出生前診断に基づく人工妊娠中絶は、母体保護法の要件を満たさないため、現行法下では堕胎罪・業務上堕胎罪が成立し、処罰の対象になる可能性があります。
出生前診断に基づく人工妊娠中絶を否定的に考える背景には、障害者の人権への配慮が大きくかかわっています。この人工妊娠中絶は、障害をもった胎児の出生を抑制するものですから、障害をもって生まれてきた方々への差別につながるのではないかが懸念されています。ハンディをかかえた障害者に対して、さらに精神的なハンディを課すようなことは、許されるべきではありません。出生前診断に基づく人工妊娠中絶を認めるためには、障害者に対する配慮が十分になされるようにしなければなりません。これとは逆に、出生前診断をしなかった結果あるいは出生前診断を誤った結果、本当なら苦しい人生を生きずに済んだ人生を生かされることになった障害者の権利の侵害という面も考慮する必要があります。そのためには、障害を持つ方々の苦労・不便さ、その関係者の方々の意見を踏まえ、十分な議論がなされる必要があります。
イギリスでは、人工妊娠中絶法により、出生前診断に基づく人工妊娠中絶が認められています。スウェーデンでは、妊娠18週目までは無条件、または、一定の条件の下で人工妊娠中絶が認められています。18週目を超える場合でも,胎児に異常があった場合には、法律福祉庁の許可を得て、中絶することが認められています。フランスも、スウェーデンと同様の規定をおき、人工妊娠中絶を認めています。
しかし、ドイツは、障害者差別に配慮する理由から、1994年、出生前診断に基づく人工妊娠中絶を認める条項(胎児条項)を廃止しました。
このように、諸外国においても、すべての国でいわゆる胎児条項が設けられているとはいえない状況にありま
。さて非常に重い問題ですが、あなたはどう考えますか。
アンケートにお答えいただき、あなたのご意見をきかせて下さい。
出生前診断に基づく人工妊娠中絶は認められるべきか
集計期間: 2008年11月23日-11月29日