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権利書って何?

Q.

 家の権利書をなくしてしまいました。そもそも権利書というのは、どういうものなのでしょうか?

A.

 一般に権利書と呼ばれるものは、登記済証のことです。登記済証とは、登記官が登記を完了したときに登記権利者に還付する書面で、登記申請の際に提出された登記原因書又は申請副本に登記官が登記済みの旨その他所定の事項を記載したものです(不動産登記法60条)。

 登記原因書とは、登記の原因となる事実を証する書面のことで(同法35条1項2号)、例えば売買による所有権移転登記の場合には売買契約書がこれにあたります。

 このようにして作成された権利書は、登記申請のときには、登記義務者の「権利に関する登記済証」と呼ばれ、申請書に添付することになっています(同法35条1項3号)。

Q.

 では、将来家を売るようなことになった時、権利書なしで手続きはできるのでしょうか?

A.

 権利書がない場合でも、保証書という書面を作成すれば、登記をすることができます。しかし、その手続は面倒です。

 まず、登記済不動産を持っている成年者2名以上が、登記の対象となっている不動産が登記義務者の所有であり、人違いでないことを保証する旨記載した「保証書」と題する書面を作り、これに記名し、実印を押し、印鑑証明書をつけます。保証人が他の登記所で登記をしている場合には、その登記簿の謄本も添付します(同法44条)。

 このようにして作成された保証書による登記申請がなされると、登記所は登記義務者にこの登記申請に間違いがないか、郵便で登記義務者に問い合わせます。3週間以内に登記申請は間違いないとの回答が来れば、登記所は回答日の日付で登記申請がなされたものとして登記をします。無回答の場合には、本人の意思に基づかないものとして登記申請は却下されます(同法44条ノ2)。

 以上のような複雑な手続を経ることとなっているのは、第三者による悪用を防ぐためですが、当事者にとっては非常に面倒なものとなっています。権利書は大切に保管し、紛失したり、盗難にあったりしないようにしてください。

 なお、権利書を盗まれた場合には、その不動産を管轄する登記所の長に対し、不動産の所在等を明確に表示して、「所有者本人の意思に基づかず、登記済権利書が持ち出されてしまい、登記の申請がなされる恐れがあるので、登記の申請があったときは連絡をしてほしい」旨の上申書を、印鑑証明書を添付して提出してください。法律にこの方法が記載されているわけではありませんが、登記所はこの申し出により登記の手続を差し止めてくれます。

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