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隣近所  2003年6月 5日 更新

火事

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Q.

 お隣さんがタバコの不始末で火事になり、私の家まで燃えてしまいました。お隣さんの家も燃えて大変なのは分かるのですが、私もお隣さんのせいで家が燃え生活できなくなってしまい、人情どころではありません。
 お隣さんに損害賠償を請求したいのですが、可能でしょうか?

A.

 お隣さんに失火につき重過失(わずかの注意さえすれば結果を避けられたのに、そのわずかな注意を払わずに結果を発生させてしまった場合をいう)がある場合は、請求することが出来ます。

 民法は過失によって損害を発生させた場合に、損害賠償責任を負うことを規定しています。もっとも、失火の場合日本の家屋が木造建築が多いことから、ちょっとした不注意で膨大な責任を負うおそれがあり、火事を起こしてしまった人に酷な結果となってしまいます。そこで失火責任法は、失火につき重過失があった場合にのみ、類焼について責任を負うことを規定しています。従って、お隣さんに重過失があった場合のみ、あなたはお隣さんに対して損害賠償を請求することが出来るのです。

 ただし、実際の裁判例では、重過失が認められることはあまりありませんので、火災保険をかけておくべきだったといえるでしょう。

Q.

 失火の場合、重過失がないと損害賠償を請求できないのは分かりました。それでは、Aに家を貸していた場合に、Aのタバコの不始末で、貸していた家が燃えてしまったのですが、この場合もAに重過失ない限り損害賠償を請求できないのでしょうか?

A.

 Aに過失ある限り、損害賠償を請求できます。

 あなたはAに家を貸していたのですから、あなたとAの間には賃貸借契約があったことになります。そして、借主であるAには借りたものを焼失しないようにする義務があることになります(民法400条)。したがって、タバコの不始末によりあなたの家を焼失させたAは、契約上の義務に違反したことになります。

 ここで、この場合の契約上の義務違反に失火責任法の適用がないかあなたも疑問に思われると思います。しかし、契約上の義務違反の場合責任を負うのが契約の相手方だけに限られるので、膨大な責任を負うおそれがなく、失火責任法の適用はありません。したがって、Aに重過失がなくても過失があれば、契約責任を追及することができ、損害賠償を請求できます。

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