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法律豆知識  2006年11月 5日 更新

登記は人のためならず・・・?

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 あなたが今見ているパソコンは多分あなたのものだと思います。その場合、あなたはパソコンに対して所有権という権利をもっているわけですが、その権利自体は目に見えますか?見えないですよね。権利は目に見えるものではありません。頭の中で考えて初めてとらえることができるもの、観念的な存在なんです。登記というのは、このような目には見えない権利や法律関係を目に見えるようにするための工夫なんです。その中でも、不動産登記という制度は、不動産の現状がどうなっていて、誰がどんな権利をもっているのかを紙に書いて(多くはコンピュータ化されていますが)目に見えるようにしたのです。


 では誰のために、なぜこんな制度を作ったのでしょう?例えば、あなたの家の近所に空き地があって、それはAさんが長年所有してきた土地だとします。あなたがその土地をAさんから1,000万円で購入する契約をしたとします。ところがその3日前にAさんは既にその土地をYさんに売る契約をしていました。いったいこの土地は誰のものになるのでしょう?もし、特別な規定や仕組みがなければ、先に買ったYさんのものだということになります。Yさんが契約をした時に所有権がAさんからYさんに移り、Aさんはその土地について無権利者となり、あなたは権利のないAさんと契約をしたのだから、その土地の所有者にはなれない、これが理屈です。しかし、それでは目には見えない権利の移転が一般の人にはわからず、安心して不動産の取引をすることができません。そこで、不動産登記という制度を作り、権利の変動を目に見えるようにして、一般の人が安心して不動産の取引ができるようにしたのです。


 そのためには、所有者に変更等があれば、それをしっかり登記に反映しておく必要があります。そうしないと登記制度という仕組みがその目的を果たせなくなるからです。民法177条は、このようにAさんからYさんへの所有権の移転という権利の変動があったら、これを登記しておかないとその不動産を取得した利害関係人(民法177条は「第三者」と表現しています)との間では、その権利の変動はないものとして扱うことにしたのです(「対抗できない」といわれます)。Yさんに権利が移っていないのですからAさんがいまだ所有者で、あなたはそのAさんから買ったのですから所有者になれるのです。このことも、登記に反映させないとYさんとの関係ではあなたが所有者であることを主張できません。先に登記をした者が所有者と扱われるのです。


 登記制度は、もともとは、世間一般の人のための制度ですが、権利者には、自分が権利者であることを世間の人に主張できるようにし、自己の権利を確たるものにするための制度でもあるということになります。

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