トップページ > 法律豆知識 > グレーゾーン金利規制の対象は?
法律豆知識 2007年11月 8日 更新
トラックバック(0件) ブックマーク:
(1)
(0)
(0)
昨年6月の「皆で考えよう!法の建前と現実」で利息制限法とグレーゾーン金利について取り上げた後も、この問題に関連するニュースが後を立ちません。
最高裁がグレーゾーン金利を事実上認めないと判断したことを受けて、全国で消費者金融に対する過払い金返還訴訟が相次ぎ、消費者金融各社の業績が急激に悪化したことや、昨年12月に出資法が改正され、2009年末をめどにグレーゾーン金利が撤廃されることが決まったことなどを見聞きされた方も多かったのではないでしょうか。
しかしながら、金銭消費貸借(いわゆる借金)については、似た制度も多く、また、利息制限法や出資法、貸金業法といった法律が複雑にからんでいるため、どういった場合に対象となるのかがわかりにくくなっています。そこで、この記事ではグレーゾーン金利規制の対象となるのはどのような場合であるのか、また、グレーゾーン金利部分について過払い金を請求する場合の注意点についてまとめてみたいと思います。
グレーゾーン金利について、簡単におさらいをすると、罰則をもって規制される出資法で定められた上限金利と利息制限法で定められた上限金利との間の金利のことです。消費者金融で利用されることが多い10万円以上100万円未満の場合、出資法の上限金利が年利29.2%、利息制限法の上限金利が年利18%ですので、年利18%から29.2%までの金利がグレーゾーン金利となります。
では、グレーゾーン金利規制の対象となるのは、どのような場合なのでしょうか?
利息制限法は「金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約」(1条1項)とし、出資法は「金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において」(5条2項)と規定していることから、グレーゾーン金利規制の対象となるのは、金銭消費貸借に限られることになります。
ですので、消費者金融だけでなく、銀行のカードローンやクレジットカードのキャッシング機能、自動車や教育などの各種ローンも対象に含まれることになります。また、利息制限法や出資法は借り手が誰であっても適用されるので、法人が借入れを行った場合であっても適用があります。
これに対して、リース契約は実質的に金融のために利用されますが、賃貸借契約の一種と考えられているため(リース料は賃料)、利息制限法や出資法による規制は受けないことになります。もっとも、商品の代金に比べて不当に高いリース料を支払わせた場合には、利息制限法や出資法の趣旨に照らして、超過金利にあたる部分が暴利行為として無効となる可能性があります。
過払金返還請求とは、利息制限法の上限金利で計算し直すと、完済しているにもかかわらず、支払いを続けていたことで、結果的に払いすぎてしまっていた金銭について、返還を請求するものです。
具体的な手順としては、業者から取引履歴を取り寄せた上で、利息制限法の上限金利で計算し直し(「引直し計算」といいます)、過払いが生じていれば、利息とともに請求することになります。引直し計算については、名古屋消費者信用問題研究会にExcel用の計算ソフトがありますので、そういったものを利用するのもよいでしょう。自分で行うのが大変な場合は、弁護士や司法書士に依頼する方法もあります。
なお、個人信用情報機関の一つである全国信用情報センター連合会は、過払金返還請求を行ったという情報を最長5年間保存していました。このため、同会から信用情報を入手している貸金業者からは、事実上新たな融資が受けられないという問題がありました。しかし、今年の9月からこの情報を登録しない取扱いに変更されたため、こうした不利益もなくなりました(各業者が独自に保有している情報に基づいて与信を行う場合はこの限りでありません)。また、すでに登録されている情報についても、本人からの申告によって削除することが可能です。
集計期間: 2008年8月24日-8月30日