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法律用語  2001年3月27日 更新

「未必の故意」と「認識ある過失」

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 「痛い目にあわせてやる!」と相手に向かって自動車で突進し、重傷を負わせたら…。

 いきなり、血生ぐさい話で恐縮ですが、こんな場合、傷害罪刑法204条)に問われることは、法律に明るくない方でもわかりますよね。

 明らかに、傷害の故意がありますから。

 では、狭い道路のわきを子供が歩いているとして、「このまま走り抜けたら、ひょっとして、子供に接触するかも。」と思いつつ、道路を走り抜けたところ、子供と接触して怪我を負わせてしまったら…。

 そういう場合は、業務上過失致傷罪刑法211条前段)として、過失犯なのでは、とも思えます。

 しかし、この場合にも故意が認められ、傷害罪が成立する場合があるのです。

 それが、「未必の故意」なのです。

 上の事例で、「子供に接触するかも。でも、仕方ない。」と、子供が場合によっては怪我をしてもやむをえない、と結果の発生を認めてしまうと、「未必の故意」として、故意が認定されるのです。

 これに対して、「子供に接触するかも。でも、道路の幅がこれだけあれば、まさか、そんなことはあるまい。」と思った場合はどうでしょう。

 子供に接触するかも、とは思っても、そんなことはまず起こらないだろう、と結果の発生を認めない場合、「認識ある過失」として、故意は認定されず、過失が認定されるにすぎないのです。

 同じ過失でも、急に路地から子供が飛び出してきたため、自動車がぶつかり、怪我を負わせてしまった場合には、運転者としては、子供が飛び出してきて怪我を負わせることは思いもしていなかったのですから、結果の認識がなく、「認識のない過失」ということになります。

 このように、「未必の故意」と「認識ある過失」とは、非常に判断が微妙な隣り合った概念なのです。

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