法律用語 2010年7月23日 更新
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ドラマの法廷シーンなどで、「本当のことを言わないと偽証罪に問われる」という趣旨の発言を聞いたことがありますよね。
嘘の証言をしたら皆この罪に問われてしまうのでしょうか?
偽証罪とは、法律によって宣誓した証人が虚偽の陳述をした場合をいい、3月以上10年以下の懲役に処せられます(刑法169条)。
つまり、誰でもできるものではなく、「宣誓した証人」でなければ犯すことができない罪なのです。
では、偽証罪が成立しうる宣誓した状況とは、どのような場合をいうのでしょうか。
法律による宣誓は、「裁判」と聞いてまず想像するような民事・刑事の訴訟事件のほかに、非訟事件(民事の法律関係に裁判所が介入し、訴訟よりも簡易な手続で処理をすること)などについても行われます。
被告人や宣誓能力に欠く者(民事訴訟法201条2項、刑事訴訟法155条)が主体となっていたり、手続の重要部分が間違っているなどの事情がなければ、各法律の定める手続に反した宣誓でもほとんど有効と認められます。
また、宣誓拒否権(民事訴訟法201条4項)、証言拒絶権(同196条以下、刑事訴訟法146条以下)を行使できる者であっても、偽証罪は成立します。
宣誓や証言を拒否できるのに、わざわざそれを放棄して宣誓・偽証する点を重視するのです。
次に、罪となる行為、「虚偽の陳述」についてみてみましょう。
何をもって「虚偽」というかについては争いがありますが、証人の記憶に反することをいうとする主観を重視した考えが主流です。裁判において証人に期待されるのは、自分が実際経験した事実や記憶していることをそのまま証言することであり、客観的に真実であることについて述べることではないからです。
したがって、「記憶とは違うがこれが真実だろう」と証人が判断して、記憶とは違う内容を陳述した場合、たとえその内容が真実であっても偽証罪が成立します。
逆に、自分の記憶と合致した通りに陳述している場合、偽証罪を犯す意思がないわけですから、仮にその内容が間違っていたとしても偽証罪とはなりません。
「陳述」とは、口頭・書面を問わず、当該事件につき証人として供述する行為をいいます。
では、黙秘は陳述といえるでしょうか。
宣誓した証人が自己の記憶の全部または一部を黙秘して陳述し、全体として虚偽の陳述をした場合は、積極的な陳述同様、偽証行為と捉えられ、本罪が成立します。
部分的な黙秘によって、結局全体が全く違う内容になってしまうからです。
しかし、事実を最初から全て黙秘している場合には、誤った情報を裁判所に与えるわけではないので、審判作用を誤らせるおそれはなく、本罪にはあたりません。
以上の事情を見る限り、さほど成立が困難な罪にも思えませんが、実際のところは、偽証罪は起訴率が非常に低く、例年数人しか起訴されない罪なのです。
よく聞く罪がよく裁判にかけられているとは限らないのですね。
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