法律用語 2010年7月28日 更新
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覚せい剤の自己使用を確かめるために、しばしば行われている採尿措置。
覚せい剤は密室での使用が多く、目撃証人などによる立証は困難ですが、体内に摂取された覚せい剤は1、2週間の間尿に残留するため、立証にとても役立つのです。
しかし、突然尿をとらせろといわれて嫌がらない人がどれだけいるでしょう。職務質問をするよりずっとハードルが高そうですよね。
今回は、どのようにして採尿するのかを勉強してみたいと思います。
まず原則は、被疑者に任意で提出してもらうことです。
次に、何か容器に放尿させ、これを差し押さえる場合も考えられます。
この際、たとえ放尿後の尿であったとしても、自分の犯罪の証拠に使われないという限度でいまだ本人のプライバシーが及んでいると解されるため、差し押さえるには差押令状が必要です。同様の理由から、後で捨てるからと嘘をついて放尿させ、これを差し押さえることも許されません。
では、上記のように任意に任せていては採尿できない場合、抵抗する被疑者を押さえて尿道に管(カテーテル)を差し込み、強制的に採尿するのはどうでしょう?
もし自分がこんなことをされたら...考えるだけでも屈辱的です。
人間の尊厳(憲法13条)の観点からも問題となります。
最高裁は、被疑事件の重大性、嫌疑の存在、この証拠が持つ重要性とそれを取得する必要性、適当な代替手段がないこと等の事情に照らし、犯罪の捜査上、本当にやむを得ない場合には、最終的手段として、強制採尿が許されるとしました。もちろん、その際には適切な法律上の手続を経ることが必要だと示しています。
この適切な法律上の手続とは何かという点については、いまだ争いがありますが、捜査機関が強制採尿するにあたっては、医学的に相当と認める方法に従って、医師が行うこととする条文をかならず記載した、条件付きの捜索差押令状(証拠物の捜索・差押えの両方を許可する令状)を用いるとするのが最高裁の方針です。
体内の尿自体はいずれ老廃物として対外に排出される価値のないものだから、身体の一部というよりは物として扱うほうが適切と考えているようです。
その一方で、その採取の過程に身体侵害・人格侵害のおそれが多分に含まれていることから、このような条件が付けられたものと思われます。
原則として、強制採尿のために適切な場所へ連行する行為も、こうした身体・人格への配慮から「必要な処分」として許容されています(刑事訴訟法111条1項前段)。
ただし、身体拘束が目的ではないので、連行距離や時間も合理的な範囲内であるべきだし、そこに用いられる実力行使も、必要最小限であるべきとされています。
刑事政策上必要な措置であることは間違いないですが、デリケートな問題なので、慎重な執行が求められます。
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集計期間: 2010年8月22日-8月28日