法律用語 2010年7月30日 更新
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あなたが交通事故に逢い、乗っていた自動車が大破したとします。加害者に請求書を送り、修理代金を払ってくれるだろうと待っていたところ、相手方から支払う義務がないことを確認する訴訟を提起されてしまいました。
このとき、あなたとしては、裁判で支払い義務があることを証明することになりますが、この裁判に勝ったとしても、それだけでは相手方にお金を払ってもらうことはできません。意外に思われるかもしれませんが、それが裁判のルールだからです。
裁判の結論である判決には、「既判力」という拘束力があります。
訴訟の目的となった事項について後々争っても、当事者は確定判決と矛盾した主張はできず、裁判所も確定判決に抵触する判断はできないというものです(民事訴訟法114条1項)。この効果によって、同じ事柄について何度も裁判をやらずに済むようになっています。
ただし、この既判力が及ぶ範囲は、あくまで判決内容に限ったもので、それに至る周辺判断は含まれないとされています。
最初の例でいうと、相手方敗訴の判決によって、裁判所は、相手方に支払い義務があるとことまでは認めてくれますが、あなたに支払え、ということは認めてくれません。判断の対象は、支払い義務の有無にとどまるからです。
このような場合に、改めて相手方に支払いを求めることもできますが、そうなると同じような手続を繰り返すことになり、効率的ではありません。そこで、一度に問題を解決する方法として、「反訴」という手続を使うことになります。同じ裁判手続の中で反対に相手方を訴えるわけです。
このとき、相手方が起こした元の訴訟を「本訴」、あなたが起こす訴訟を「反訴」といいます。本訴が棄却され、反訴が認容されれば、あなたに支払えという判決が出ることになります。
反訴が使われるケースには、上記のような場合のほかに、本訴に敗れた場合に備える「予備的反訴」があります。
本訴で売買代金の支払を請求された場合、万一それが認容されたら支払い損になるので、反訴で売買対象物の引渡を請求するような場合です。
本訴が排斥されれば、もちろん予備的反訴の効力も消滅します。
反訴は、係属中の本訴の手続内で行います(同146条)。
関連紛争は審理内容に共通点が多いため、同一手続で審理されるほうが訴訟費用の無駄も省けますし、判決の矛盾も防げます。当事者の利便性からも有益です。
最後に、反訴提起のための条件をみてみましょう。
以上のとおり、反訴を利用すれば、本訴で振りかかる火の粉を払うだけでなく、より積極的な防御を図れるのです。
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