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法律用語  2002年3月19日 更新

損害賠償の話(1)-債務不履行責任

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 編集部に毎日寄せられる法律相談の中でも、最も多い部類に入るのは、「○○の場合、損害賠償を請求できるのでしょうか」というような相談です。こうした相談をいただいたときに、私たちスタッフがまず考えるのは、どのような根拠で損害賠償を請求できるのか、という部分です。
 損害賠償を請求するためには、原則として、相手方に 1. 債務不履行責任か、 2. 不法行為責任が認められる必要があります。

 債務不履行責任とは、債務者が債務の本旨に従った履行をしなかったために生じる責任です。売買などの契約の締結によって、一方が他方に対して義務(たとえば、商品の引渡義務)を負うことになりますが、債務不履行責任はその義務を果たせなかったことから生じます。このような責任の性質から、債務不履行責任は、原則として契約の当事者のみが負うことになります。

 債務不履行は、その性質に応じて、3つに分類されます。

 第一は、「履行遅滞」と呼ばれるものです。債務者が契約を履行すべき期限までに履行しなかった場合で、履行が遅れたことにつき、債務者に責めるべき事情(帰責事由)が認められる場合に、契約の履行とともに遅延利息などを請求することができます。

 第二は、「履行不能」と呼ばれるものです。これは文字通り、契約の履行ができなくなることで、債務者に帰責事由が認められる場合に、給付に代わる損害賠償を請求することができます。

 第三は、「不完全履行」と呼ばれるものです。これは、契約を履行すべき期限までに履行したものの、その内容が不完全であった場合です。たとえば、りんごを10個注文していたときに、そのうちの1個が腐っていたような場合などが考えられます。この場合も、債務者に帰責事由が認められるときは、履行が不完全なことから生じる損害賠償または給付に代わる損害賠償を請求することができます。契約の完全な履行が可能な場合には、これを請求することも可能です。

 以上のように、債務不履行による損害賠償には3つの類型がありますが、すべてに共通するのは、債務者に責めるべき事情がなければならないという点です。つまり、債務者が不履行となることを知りながら(故意)、あるいは知るべきであったのに(過失)、債務を履行しなかったことが必要とされるのです。

 また、損害賠償を請求するためには、損害が発生していなければなりません。つまり、単に「相手を懲らしめてやろう」というだけでは損害賠償を請求できないということです。実際の訴訟においても、債務不履行と損害の間に因果関係があるか否かが大きな争点となります。

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