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法律用語  2002年4月 2日 更新

損害賠償の話(3)-損害賠償と刑事上の責任

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 今回は、損害賠償の話の続きとして、損害賠償と刑事上の責任について取り上げたいと思います。

 前回までの話で、損害賠償の請求には、相手方に債務不履行不法行為が認められなければならない、ということはわかっていただけたのではないかと思います。次に読者の皆さんに理解していただきたいのは、刑事上の責任(刑罰)と民事上の責任(損害賠償)の話は別、ということです。

 たとえば、誰かがわざと(故意に)物を壊したとしましょう。警察が犯人を逮捕し、これで一件落着、のように思いますが、実はそうでもありません。
 上の例では、加害者に器物損壊罪刑法261条)が成立し、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料に処せられます。しかし、この罰金または科料は国庫に納付されるもので、被害者に支払われるものではありません。つまり、警察が犯人を逮捕し、裁判の結果、刑罰が科せられるだけでは被害者は損害を回復することができないのです。
 したがって、被害者は刑事裁判とは別に加害者の不法行為責任を追及する民事訴訟を起こし、損害賠償を請求することになります。

 もうひとつ理解していただきたいのは、刑事上の責任と民事上の責任では、その認定のされ方が異なるということです。
 刑事上の責任は「疑わしきは被告人の利益に」の原則の下、確かに犯罪を犯したと証明されない限り有罪となりません。これに対し、不法行為責任は裁判所が双方から出された証拠や弁論の趣旨を斟酌(しんしゃく)して、どちらの主張を真実とするか判断します。
 こうした違いから、刑事上は無罪でも、民事上は不法行為責任が認められるというケースが出てきます。アメリカのO.J.シンプソン事件がその典型例ですが、日本でも同様の事例があります。

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