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男と女  2004年4月 4日 更新

婚姻届の無断提出

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Q.

 パスポートを取得するために戸籍謄本を取ったところ、知らない間にA男と結婚していることになっていました。この場合、どのような手続を取ればよいでしょうか?

A.

 まず確認しておきたいのは、当事者間に婚姻をする意思がない場合、婚姻は無効であるということです(民法742条1号)。従って、配偶者として記載されている相手と結婚生活を送る必要がないのはもちろんのこと、離婚届を出す必要もありません。

 離婚届を出した場合、戸籍には「結婚」とともに「離婚」の記載がなされるだけで、問題の解決にはなりません。

 このような場合、まず、家庭裁判所で当事者の合意に相当する審判を得るか(家事審判法23条)、婚姻無効の判決を得た後に(人事訴訟手続法1条)、家庭裁判所で不適法な戸籍の記載の訂正を求め、その許可をもらう必要があります。

 しかし、戸籍訂正の手続を行ったとしても、戸籍の訂正は一度記載された事項を朱線で抹消するだけで、形式的な婚姻の記載までがまったくなくなるわけではありません。このことによって、法的に不利益となることはありませんが、事実上の不利益となる場合があります。

 そこで、どうしても痕跡を残したくない場合は、本籍を現在の市町村外に移すことで(管外転籍)、記載を消すことができます。ただ、旧籍の戸籍簿は直ちに破棄されるわけではないので、戸籍を遡っていけば記載があることが分かってしまいます。

Q.

 A男の責任を追及することはできないでしょうか?

A.

 まず、刑事上の責任として、A男は私文書偽造刑法159条1項)、同行使(刑法161条1項)、公正証書元本不実記載刑法157条1項)の罪を負います。

 さらにあなたがA男の行為によって精神的な損害を蒙ったのであれば、A男に対して慰謝料の請求をすることもできます(民法710条)。

Q.

 逆にA男との婚姻を有効にすることはできないでしょうか?

A.

 上にも述べたように、当事者の合意を欠く婚姻届の提出は本来無効ですが、あとからこれを有効と認めることも可能です(法律上「追認」といいます:民法119条)。

 この場合、「追認届」のような手続は一切必要ありません。

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