トップページ > 法律クイズ > 傷害罪が成立するのは・・?
法律クイズ 2007年7月 5日 更新
傷害罪が成立するのは・・?
トラックバック(0件) ブックマーク:
(0)
()
(0)
Q.
刑法204条は「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定しています。では、次の各場合において、太郎に傷害罪が成立するのはどれか?
- Aが気に入らない太郎は、少し脅かそうと、肩でBを軽く押した。ところが、予期に反し、Bは前のめりに倒れ、左手を骨折した。
- 太郎は、いつも、D子に対して大声で威嚇するなどの粗暴な接し方をしていたところ、D子はPTSDに罹患した。
- 太郎はC子の髪の毛をハサミで根元から切った。
A.
正解 (1・2)
- この場合の太郎には「Bに傷害を負わせよう」とする意思(傷害の故意)がありません。しかし、Bに対して暴行(人の身体に向けた不法な有形力の行使)をする意思はあります。そして、刑法208条は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」を暴行罪の成立範囲としています。その結果、暴行を行うつもりで人を傷害した場合には傷害罪の問題になることになります。したがって、暴行の故意でBに傷害を負わせた太郎には傷害罪が成立することになります。
- 「傷害」は、外傷のみではなく、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や病気の罹患、疲労倦怠などの外傷を伴わないものでも構いません。したがって、この場合の太郎には傷害罪が成立します。
- 「傷害」とは、一般に、人の生理的機能を害することを言うと解されています。したがって、根元から髪を切ることが直ちに健康状態の悪化をもたらすものではありませんので、太郎に傷害罪は成立しないことになります(大判M45.6.20)。