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法律クイズ  2007年7月17日 更新

子供に財産を相続させない事は可能?

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Q.

 Aには妻および子供Bがいます。Bは、Aに対して虐待や重大な侮辱を繰り返しました。そのため、Aは自己の財産をBに相続させたくないと思っています。Aが自己の財産をまったくBに相続させないことは法律上可能でしょうか。

  1. 可能である。
  2. 不可能である。
A.

正解 (1)

 民法には、被相続人の意思に基づいて相続資格をはく奪する相続廃除民法892条)という制度があります。これによればBにまったく相続させないことも可能です。

相続廃除が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 遺留分(兄弟姉妹以外の相続人に対し被相続人の財産の一定割合について相続権を保障する制度)を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者)が廃除の対象であること
  2. 被相続人に対する虐待もしくは重大な侮辱、または推定相続人にその他の著しい非行があること
  3. 被相続人がその推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求すること

 相続廃除の請求がなされると、家庭裁判所は、(1)および(2)の要件を満たすかどうかを判断します。家庭裁判所が(1)および(2)の要件を満たすと判断すると、推定相続人は相続権を失うことになります。

 本件では、遺留分を有する推定相続人Bが被相続人Aに対して虐待や重大な侮辱を繰り返しているので、(1)および(2)の要件を満たします。したがって、Aが家庭裁判所に対してBの相続廃除を請求し、家庭裁判所の廃除の審判が確定すると、Bはそのときから相続権を失います。

 もっとも、相続廃除は遺留分という一定範囲の相続人に与えられた最低限の権利を奪うものであるため、被相続人が相続廃除の請求をすれば必ず認められるというものではありません。多様の事情を総合考慮し、推定相続人の行動が「客観的かつ社会通念に照らし、推定相続人の遺留分を否定することが正当と判断される程度に重大なもの」といえる場合に初めて、家庭裁判所によって「虐待もしくは重大な侮辱」「その他の著しい非行」があると判断されることになります(名古屋高金沢支決平2.5.16)。

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