トップページ > 法律クイズ > 落とし物を無断で他人に貸して紛失した!
法律クイズ 2007年7月19日 更新
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公園のベンチで花子の本を見つけた太郎は、「花子へ届けてあげよう」と思い、その本を持ち去りました。その後、Aから「ずっと読みたかった本なので、1週間だけ貸してくれないか」と頼まれたので、「1週間程度なら構わないだろう」と考え、Aに貸し与えてしまいました。しかし、Aはこれを紛失してしまい、1ヶ月経っても返還されていません。
その後、本を探していた花子は、「太郎が持ち去った」という情報をえて、太郎に返還を迫りました。太郎は「Aが紛失したのでAに言ってくれ」と言いましたが、「Aなんて人、私は知らない。あなたが弁償して!」と言って引き下がりません。太郎は本を弁償しなければならないでしょうか?
わが国の民法には「事務管理」という制度があります(民法697条以下)。本問の太郎のように、頼まれもしないのに花子の本を管理するような行為です。事務管理が成立するためには(1)他人の事務を管理する「義務なく」(2)「他人のために」する意思(管理意思)をもって(3)他人の「事務の管理」を始めたとき、(4)それが本人の意思・利益に適合することが明白であること、の4つの要件が必要です。(民法697条1項)。事務管理が成立した場合、管理者は「最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理」しなければならなくなり、その後は無断で管理義務を放棄することはできなくなります。
本問の場合、太郎は(1)義務なく(2)花子のために(3)花子所有の本の管理を始めており、(4)ベンチに放置しないことは花子の意思・利益に適合すると考えられます。したがって、太郎と花子の間には事務管理関係が成立したものと言えます。しかし、その後、太郎は花子の知らないAに対して無断で本を貸しています。このような行為は管理行為の放棄であり、事務管理により発生した債務の不履行であると言えます。
したがって、太郎は、花子の損害を賠償する責任を負うため、本を弁償しなければなりません。
集計期間: 2008年7月13日-7月19日