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法律クイズ  2007年9月 3日 更新

野球の最中に窓ガラスを割ってしまった!これは罪になる?

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Q.

 Aは、住宅街にある狭い公園で野球をしていました。Aがボールを打ったところ、ボールが思いのほか飛んでしまい、公園の柵を越えて他人の庭に入りその家の窓ガラスを割ってしまいました。Aは、罪に問われるでしょうか。

  1. 罪に問われる
  2. 罪に問われない
A.

正解 (2)

 刑法261条は、「他人の物を損壊した者」を器物損壊罪として処罰する、と規定しています。Aは、自らが打ったボールによって、他人の家の窓ガラスを割ってしまいました。Aは、器物損壊罪として処罰されるのではないか、とも思えそうです。
 しかし、Aは、わざと他人の家の窓ガラスを割ったわけではありません。このような場合でも、Aは器物損壊罪として処罰されるのでしょうか。
 刑法には、「過失」という概念があります。「過失」とは、注意すればどのような結果が生じるのかを認識でき、結果の発生を避けることができたにもかかわらず、不注意によってその認識をせず、結果の発生を避けなかったこと(注意義務違反)をいいます。
 Aは、住宅街にある狭い公園でボールを打つと、ボールが公園の柵を越えて、他人の家の窓ガラスを割ってしまうかもしれない、と認識できたといえます。そうすると、そのような結果の発生を避けるために、Aは、軽く打つなどの対策をとれたといえます。にもかかわらず、Aは、不注意により、普通にバットを振ってボールを打ったため、他人の家の窓ガラスを割るという結果を生じさせてしまいました。よって、Aは、「過失」によって器物損壊をしたことになります。
 もっとも、「過失」によって罪を犯した者を処罰するためには、処罰するための規定を設ける必要があります(刑法38条1項)。刑法は、「過失」によって器物損壊をした者を処罰する規定を設けていません。
 したがって、「過失」によって他人の家の窓ガラスを割ってしまったAは、罪に問われず処罰もされません。
 ただし、民事上の不法行為責任を負うことは別個の問題です。

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