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法律クイズ  2007年10月29日 更新

請求された治療費を借金で相殺できる?

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Q.

 AはBに5万円を貸しましたが、一向に返そうとしないため、AはBを殴ってケガをさせてしまいました。Bは治療費として5万円請求しましたが、Aは「貸した5万円とチャラにしろ」と言っています。Aの主張は認められるでしょうか?

  1. 認められる
  2. 認められない
A.

正解 (2)

 二人が互いに同種の債権を有している場合、両債権が弁済期にあるときは、相殺によって債務を支払ったのと同じ状態にすることができます。たとえば、AがBに100万円貸しており、BはAに売掛債権が80万円あるという場合、Aは相殺によって80万円の売掛債務を払ったことにできるのです(民法505条1項)。
しかし、不法行為によって生じた損害賠償債務(治療費等)は、たとえ相手に対して別債権があったとしても、相殺して消滅させることはできません(民法509条)。これは、不法行為によって受けた損害は、現実に補われなければ被害者の救済にならないという考えに基づくものです(「薬代は現金で」などといわれます)。
AがBに暴力を振るってケガをさせた行為は不法行為にあたります(民法709条)。したがって、Aの主張は認められません。

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