トップページ > 法律クイズ > 20年間借りたまま忘れていた腕時計。取得時効は成立する?
法律クイズ 2007年11月15日 更新
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20年前、AはBから腕時計を借りました。貸していたことを忘れていたBは、先日、Aの家を訪ねた際に自分の時計を発見し、その返還を要求してきました。Aは時計を返還しなければならないでしょうか?
取得時効が成立するには、「20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有」する必要があります(162条1項)。本問で問題となるのはAに「所有の意思」があったと言えるか否かです。
この点、「所有の意思」とは占有者(A)の内心にとどまり、外部から認識できません。そこで、「所有の意思」があるか否かは、占有者(A)が占有を取得した原因や占有に関する事情から客観的に判断されます。例えば、所有権の移転を目的とする契約(売買や交換、贈与)に基づいて占有を開始した場合の占有は「所有の意思をもって」なされたと考えられる一方、他人の所有権を前提にした契約(使用貸借や賃貸借、寄託)に基づいて占有を開始した場合の占有は「占有の意思をもって」なされたとは考えられないことになります。
したがって、借りた(使用貸借)ものについて取得時効が成立することはないので、AはBに腕時計を返還しなければなりません。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日