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法律クイズ  2008年3月10日 更新

実刑判決後の脱獄で刑の執行はどうなるか?

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Q.

 懲役5年の実刑判決が確定したAは、脱獄して国外に逃亡しました。刑が確定してから12年経った現在もAは国外で逃亡を続けていますが、その後、仮にAが捕まった場合、受けた懲役刑の執行はどうなるのでしょう?

  1. 懲役5年の執行は免除される
  2. 懲役5年の執行は免除されない
A.

正解(1)懲役5年の執行は免除される

 犯罪をめぐる時効制度の1つに『刑の時効』という制度があります(刑法31条)。この制度は、刑の言渡しが確定してから一定期間(刑法32条所定)経過した場合に、その刑の執行を免除するものです。これによれば、懲役5年の場合、その刑の執行は10年を経過することによって免除されることになります(刑法32条4号)。したがって、懲役5年の刑が確定してから12年経過している本問の場合、Aに科せられるべき刑の執行は時効によって免除されますので、答えは(1)となります。

 なお、犯罪をめぐる時効には『公訴時効』という制度もあります。この制度は、犯罪行為が終わった時から一定期間経過した場合に、もはや検察は公訴を提起しえなくなるという制度です(刑訴法250条253条)。本問の場合、Aは逃亡する前に脱獄をしていますので、Aは新たに単純逃走罪刑法97条)または加重逃走罪刑法98条)に該当する行為を行っていることになります。では、12年間海外逃亡を続けることにより、逃走罪についての公訴時効までも成立しているのでしょうか?
 この点、単純逃走罪であれば1年、加重逃走罪であれば3年を経過することによって公訴時効は成立するとされています(250条5号6号)。しかし、この場合、『刑の時効』の場合とは異なり、犯人が国外にいれば時効の進行は停止することとされています(刑訴法255条)。したがって、Aが仮に捕まった場合、既に言渡された懲役5年の刑については執行を受けませんが、新たに単純逃亡罪または加重逃走罪によって起訴されることになります。

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