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法律クイズ  2008年4月17日 更新

自動車をちょっとだけ無断拝借、これって窃盗罪?

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Q.

 Aは、ちょっとだけ利用してその後元の位置に戻しておくつもりで、無施錠であったB所有の自動車を、Bに無断で乗り廻しました。Aが数時間後に自動車を元の位置に戻しておいた場合、Aに自動車に対する窃盗罪は成立するでしょうか。

  1. 成立する。
  2. 成立しない。
A.

正解(1) 成立する。

 窃盗罪刑法第235条)は、他人の物を「自分の物にする」つもり(これを「不法領得の意思」といいます)で、他人の物を「自分の物にした」時に成立する犯罪です。そのため、最初から元に戻すつもりで他人の物を一時的に使用する「使用窃盗」は、不法領得の意思が無いため、不可罰となります。

 とすれば、AにはB所有の自動車を完全に自分の物にするつもりは最初から無く、結果的にも数時間後には自動車を元の位置に戻していることから、Aには他人の物を自分の物にしようとする不法領得の意思があるとは言えないとして、Aは不可罰になるのでしょうか。
 この点、「不法領得の意思」があったかどうかは、「自分の物として振る舞う意思があったかどうか」で判断することになりますが、その限界線はかなり微妙です。具体的には、乗り廻した物の価値、乗り廻した時間、その間本来の所有者の使用がどれだけ妨害されたか、乗り廻した者と本来の所有者との関係などの色々な事情を総合的に考慮して判断されることになります。

 一般に、同じ一時使用でも自転車の一時使用と自動車の一時使用とでは乗り廻した物の価値が異なると考えられ、自動車の一時使用は、ガソリンの費消やタイヤの摩耗も含めて自動車に対する窃盗罪が成立するケースが殆どです。一時使用目的で約4時間他人の自動車を無断で乗り廻した場合に不法領得の意思を認め窃盗罪を成立させた判例もあります(最決昭和55年10月30日)。

 とすると、AとBとが親しい間柄であった等の事情があればともかく、そうでない限りは、Aには不法領得の意思が認められ、自動車に対する窃盗罪が成立します。

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