トップページ > 法律クイズ > 犯人が国外に逃亡したら時効はどうなる?
法律クイズ 2008年5月13日 更新
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殺人を犯した犯人Aが犯行直後に国外に逃亡し、殺人罪の公訴時効である25年間が経過した後に日本に帰国した場合、Aが日本で逮捕されたり裁判にかけられることはありますか。
刑事訴訟法第250条は、各犯罪によって定められた一定期間が経過した後は、その犯罪について捜査をしたり裁判にかけたり(公訴提起)することはできないとの、公訴時効の制度を定めています。これは、時の経過により犯罪の社会的影響が弱まり可罰性が消滅したり、目撃者の記憶が薄れるなど証拠の散逸によって公正な裁判が不可能となる為です。
そして、殺人罪は法定刑が「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」(刑法第199条)ですから、「死刑に当たる罪」として、25年間で公訴時効が完成します(刑事訴訟法第250条1号)。よって、殺人行為が終わったときから(同法第253条1項)25年間が経過した後は、Aは逮捕されたり裁判にかけられることが無いのが原則です。
もっとも、捜査は国家の主権の現れであるところ、外国領土内に日本が捜査権を直接行使することはできず、外国領土内で日本が捜査を進めたいと望むときは日本から外国に対して捜査共助要請や犯罪人の引き渡し請求をすることになりますので、犯人が国外にいる場合には捜査を含めた公訴提起までの一連の過程において事実上の障害があります。又、起訴状謄本を国外にいる犯人宛てに送ることは困難です。
そこで、刑事訴訟法第255条は、「犯人が国外にいる場合」には、時効は「その国外にいる期間」「その進行を停止する」とも定めています。
時効が「その進行を停止する」とは、犯人が国外にいる期間は時効の通算期間にカウントしないけれど、犯人がその後日本に戻ってきたら、犯行から国外逃亡までの期間にプラスして日本に戻ってきてから以降の期間を時効期間にカウントしていく、という意味です。
ですから、犯行直後に国外に逃亡したAの公訴時効は、Aが国外にいる期間に停止していた結果、未だ完成していませんので、Aは日本に帰国後、逮捕されたり裁判にかけられたりする可能性があります。
集計期間: 2008年6月22日-6月28日