トップページ > 法律クイズ > 宿泊料を払わないと、手荷物を取られる?
法律クイズ 2008年6月10日 更新
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ホテルAに宿泊したBは、チェックアウトに際し、財布を忘れてきたからと宿泊料を払おうとしません。Aは、Bが手荷物として持っていたブランド物のボストンバッグを、Bの承諾無しに競売にかけて宿泊料を回収することができますか。
ホテルや旅館は、お客がホテルや旅館内での宿泊料や飲食代を支払わない場合、ホテルや旅館内に存在するお客の手荷物の中から、金目の物を勝手に頂戴して、動産競売の方法により換金処分し(民事執行法第190条)、その換金費用をお客が支払わなかった宿泊料や飲食代に充てることができます(「動産の先取特権」。民法第311条3号)。
本来、宿泊料を支払わないBに支払いを強制するためには、まずAはBに対して「宿泊料を支払え。」との裁判を提起し、この裁判で勝訴判決を得た後、Bの財産に対して強制執行をする事になるのですが、その際、Bがどこにどの様な財産を持っているかは、Aの側で調査しなければなりません。BがAだけではなく色々なお店に対して代金不払いを起こしている場合などは、限られたBの財産を多数のお店で奪い合うことになりますが、目の前に金目の物があるのに手を出すことができず、結果的に殆ど宿泊料を回収できないのではAに余りに気の毒です。
そこで、ホテルの宿泊料については、動産の先取特権が認められており、Aは優先的にBの手荷物から宿泊料の支払いを受けられるのです。
尚、AがBの手荷物を換金できるといっても、質屋等で勝手に換金することは許されず、動産競売という法的な手続きによる必要はありますし、手荷物が宿泊料より高額に換金できた場合は、余った金額はBに返さなければなりません。
集計期間: 2008年8月31日-9月6日