トップページ > 法律クイズ > 内々定~内定~入社、労働契約はどの時点で成立している?
法律クイズ 2009年2月26日 更新
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大学4年生のA太郎くんは、長く就職活動を続けてきた末に、やっと、希望していた大手企業から9月に内々定をもらい、11月には内定書をもらうことができました。
しかし、こんな不況のご時勢ですから、A太郎くんはイマイチ安心することができません。「本当に春から働けるのかなぁ・・・。」
果たして、A太郎くんと大手企業との両者の間では、いつの時点で労働契約が成立しているといえるのでしょうか?
A太郎くんが9月にもらった「内々定」とは、正式な内定通知に先立って、「内定と理解してもらってよい」「採用の予約をさせてほしい」などと遠回しな表現で採用の内意を口頭で伝える場合のことを指します。 内々定の法的性質については議論があるものの、内々定の時点ではまだ企業側からの労働契約の「承諾」の意思表示であるということはできず、労働契約が成立しているとは解せないでしょう。
その「内々定」の状態から、晴れて「内定」をもらった状態であるといえるためには、一般的には、採用内定通知書が交付されたり、入社同意書または誓約書が提出されたりすることが必要のようです。
そして、内定をもらうと、内定時に、雇用者と被用者との間で、卒業できないなどの解約事由に基づく解約権が留保された労働契約が「成立」するものと考えられています。
入社時には、労働契約の「効力」が発生するだけです。
よって、A太郎くんと大手企業との間には、11月に内定をもらったときに、労働契約が成立していることになります。
そうすると、すでに両者の間で労働契約が成立している以上、大手企業がA太郎くんの採用内定を取り消したいと考えたとしても、「客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認できる事由がある場合」でないと、認められないことになります。
具体的には、A太郎くんが卒業できなかった場合や、傷病により当初契約した内容の労務提供が困難になった場合、そして企業が著しい経営難に陥った場合などが考えられます。
そのような事由が存在しない場合にもかかわらず、採用内定を取り消したとしても、無効となります。
たとえ、あらゆる手段を講じたが、内定の取り消しをせざるを得ないという事由があるとしても、内定を取り消すことは「解雇」と同じ取り扱いが必要となります。
そのため、大手企業はA太郎君に対して30日前に予告するか、あるいは30日分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません(労働基準法20条1項本文)。
なお、内々定しか出ていない場合に、企業側が内々定を取り消す場合、両者の間では、前述したとおり、形式上はまだ契約は成立していません。
そのため、契約締結の過程上において、一方の当事者に信義則に反するような行為があり、相手方が損害を被った場合であるとして、他社への就業の機会が奪われた等の機会損失に対してのみ、賠償責任が生じることになります(契約締結上の過失)
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