トップページ > 法律クイズ > 旅館の駐車場で壊れた車、旅館側に責任は?

法律クイズ  2003年2月11日 更新

旅館の駐車場で壊れた車、旅館側に責任は?

トラックバック(0件) ブックマーク:このエントリーを含むはてなブックマーク(0) Yahoo!ブックマークに登録(0) この記事をLivedoor クリップに追加(0)

Q.

 やっととれた連休。会社員のXさん(42歳)は、家族をつれて箱根に温泉旅行にでかけた。自然に囲まれた風情のある旅館で久しぶりにゆっくりと骨を休めることができた。

 出発の朝、Aさんがフロントで支払いを済ませていると、突然、轟音とともに旅館が黒い影に包まれた。昨夜からの豪雨で地盤の緩んだ裏山が崩れたのだ。旅館に隣接する駐場が半分、土砂で埋まった。Xさん自慢の2ヶ月前に買ったばかりの4WDは土砂の下敷きに。3年のローンだけが残された。


 Aさんは、4WDの損害を旅館にも負担してもらいたいと思っている。可能だろうか。

  1. 大切なお客様から預かったなので、どんなことがあろうとも旅館は責任を負わなければならない。従って、可能である。
  2. 天災の場合についてまで旅館が責任を負ういわれはないので、旅館に損害を負担してもらうのは不可能である
  3. 旅館の駐場には「駐場での事故に関し、当旅館は一切の責任を負いません」という看板が掲示されていたので、旅館は責任を負わず、従って、旅館に損害を負担してもらうのは不可能である。
  4. 旅館側が損害の発生を防止できなかったことを証明した。従って、旅館に賠償責任を生ぜず、旅館に損害を負担してもらうのは不可能である。
  5. 土砂で埋まるような場所にを置いたAさんが悪いので、旅館は責任を負わず、従って、旅館に損害を負担してもらうのは不可能である
A.

正解 (4)

 旅館や飲食店は商法上、「場屋営業」と規定され、客から預かった物を壊した場合、「不可抗力」であったことを証明しない限り、賠償しなければならないとしています(商法594条)。


 「不可抗力」とは、事業の外部から発生した出来事で、通常の注意を尽くしても防止できない場合をいいます。

 本件のように、土砂崩れがあった場合、不可抗力にあたり、営業者は免責されそうに思えます。しかし、土砂崩れが予見できそうな場所では土嚢を積むなどして、損害の発生を防止できる場合もあります。予防策をとってはじめて、通常の注意を尽くしても防止できない場合となるのです。

 本件の旅館は、損害の発生を防止できなかったことを証明したのですから、「不可抗力」によって損害が発生したことになり、Aさんの賠償請求は否定されることになります。

商法594条によれば、どんなことがあっても旅館が責任を負わなければならないことはない。

天災の場合であっても、それに起因して発生する損害を予想し、防止できたような場合は不可抗力にあたりません。

免責の告示があっても、責任は免れません(594条3項

第594条 (客の来集を目的とする場屋の主人の責任)
  1. 旅店、飲食店、浴場其他客の来集を目的とする場屋の主人は客より寄託を受けたる物品の滅失又は毀損に付き其不可抗力に因りたることを証明するに非ざれば損害賠償の責を免れることを得ず
  2. 客が特に寄託せざる物品と雖も場屋中に携帯したる物品が場屋の主人又は其使用人の不注意に因りて滅失又は毀損したるときは場屋の主人は損害賠償の責に任ず
  3. 客の携帯品に付き責任を負はざる旨を告示したるときと雖も場屋の主人前二項の責任を免れることを得ず

連情報


トラックバック

※トラックバックは管理者の承認後に行われます。当サイトへの言及リンクが無いトラックバックは承認いたしませんので予めご了承ください。

メールマガジン「知らなきゃ損する面白法律講座」

まぐまぐ!殿堂入りメールマガジン」に選ばれた、法律関係では購読者数No.1のメルマガを毎週火曜日にお届けします。登録は無料です。(詳細

登録はこちらから 

な検索ワード RSS 1.0

第1位
家族 弁護士 (8)
第2位
とき or 時 (863)
第3位
違い (188)
第4位
勝手に (114)
第5位
会社 or 不当解雇 (304)