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法律クイズ  2003年4月15日 更新

勝手に取り立てられた借金

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Q.

 A男は、B子に30万円を借りていた。

 B子の知り合いのC男はその事実を知っていた。C男は、遊び金欲しさに、A男の自宅を訪問し、自分はB子の代理人で、B子から借りているお金を返してもらいに来たと告げた。

 A男は、C男が、かねてからB子から聞いていた彼氏だと思い、Cに30万円を手渡した。

 C男が勝手に取り立てたことなど知らないB子はAに30万円を返済するように告げた。


 A男は、B子の請求を拒むことができるか?

  1. 拒むことができない。Cが勝手に取り立てたことは、Bにとっては全く関係のないことである。AはBにも30万円を返済する必要がある。
  2. 拒むことができない。Bは、Aから30万円の支払いを受けることができる。Aは、まず、Cに30万の返還を請求し、Bに返済すればよい。
  3. 拒むことができる。ただし、Bに何らかの落ち度がある場合に限る。たとえば、Cのことを信用しているわけでもないのに、貸金の事実を伝えたことなどである。
  4. 拒むことができる。Bは、Cから取り立てればよい。ただし、AがCを信用したことに不注意があった場合は、Bからの請求を拒むことができない。
  5. 拒むことができる。AがBを信用したことについて不注意があるかどうかは問わない。自分が債権者だという者への弁済をとりあえず法的に保護しなければ、円滑な経済活動を阻害する
A.

正解 (4)

拒むことができます。

解説

 弁済を受領する権限のない者にした弁済は、無効であるのが原則です。しかし、債権者らしい、あるいは受領する権限があるらしい外観を有する者(債権の準占有者)に、不注意なく信用して弁済した場合、その弁済を有効として保護しようという条文が民法478条に規定されています。

 本問では、C男は債権の準占有者にあたります。

 A男はC男をB子の彼氏だと思い、受領権限をもった代理人と信じ、支払いを行っているので、478条により弁済は有効となります。

 B子は、C男に対し、不当利得の返還、または不法行為に基づく損害賠償請求を行うことが可能となります

 なお、C男には、刑法上の詐欺罪が成立することはいうまでもありません。


  1. 債権者に落ち度があったかどうかは問わないとするのが判例の立場です。
  2. 弁済者は弁済時に無過失であることを必要とするのが判例の立場です。

参考条文

民法第478条
債権ノ準占有者ニ為シタル弁済ハ弁済者ノ善意ナリシトキニ限リ其効力ヲ有

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