パラリーガル情報 自己破産・債務整理

トップページ > 士業の活躍と仕事 > 石田隆章 先生 > 最近腹の立ったこと三題 その1

石田隆章 先生  2003年10月28日 更新

最近腹の立ったこと三題 その1

トラックバック(0件) ブックマーク:このエントリーを含むはてなブックマーク(0) Yahoo!ブックマークに登録(0) この記事をLivedoor クリップに追加(0)

 この頃、「真・善・美」という言葉を聞かなくなりましたね。

 日本の産業は「真・善・美」を備える努力をしてきたから発展してきたのだ。自動車に例えるならば、「真」とは走る性能そのものであり、「善」とは使い勝手や耐久性や万一の事故のときの安全性のことであり、「美」とは周囲や町並みと調和する美しさのことだ、と高度成長の頃はよく教えられたものだ。

 最近は日本社会全体から「善」が抜け落ちつつあるのではないのかしら。

 75歳の老女が若い頃から数十年掛け続けてきた生命保険があった。掛金も保険金も今の物価水準からすればたいした金額ではないが、当時としては大金だった。

 でも、もう掛金も払い込む必要も無いし、病気になったときの入院給付金は何百日分かもらう権利はあるし、老女はその保険をとても頼りにしていた。

 ところが、打ち続く不況で老女の家の家業の運転資金に充てるために保険会社からカネを借りていた。いつもなら保険会社の運用益の配当と利息が相殺されるのだが、今年は運用益が上がらなかったらしく、利息の方が上回り、月末までに数万円を保険会社に納めないと保険が失効すると言ってきた。

 支払の集中する月末に老女も家族もその数万円を捻出できなかった。翌日、数万円を持って保険会社に駆け込むと「昨夜の12時までにコンビニからでも入金すれば間に合ったのですが、今日となっては手遅れです。保険は失効です。」と言われた。老女の落ち込むまいことか。

 約款上そうなってる、と言われればそれまでの話。保険会社にはなんの不法行為もなければ、なんの落ち度もない。

 しかし、保険会社から見てこの先は出金あるのみの老女の保険を、わずかの瑕疵でこれさいわいと切り捨てた保険会社の姿勢に「善」は感じられない。

 保険会社は保険会社で苦しいらしい。かくいう私もそうだが、苦しくなってくれば、「善」などとは言っていられないのだなぁ

連情報

トラックバック

メールマガジン「知らなきゃ損する面白法律講座」

まぐまぐ!殿堂入りメールマガジン」に選ばれた、法律関係では購読者数No.1のメルマガを毎週火曜日にお届けします。登録は無料です。(詳細

登録はこちらから