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武田 貞晴 先生 2004年4月 6日 更新
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IRは、一般的には「投資家向け広報活動」と定義付けられているが、簡単に言えば投資家の中に一人でも多くの自社ファンを作ることである。熱烈なファン(自社株を買ってくれる投資家=株主)でも良いし、見守ってくれるだけのファン(自社株は買ってくれないが、関心を持ってフォローしてくれる投資家)でも良い。ともかくファンを増やすことである。
野球やサッカー等のプロチームがファン無しで経営が成り立たないのと同じで、一般上場企業もファン無しでは経営が成り立たない。山一やマイカルがファンから見捨てられ、株価が暴落して、あっという間につぶれたのが典型的なケースである。
ただし、ファンにもいろんなタイプがあるように投資家にもいろんなタイプがある。ビジョンを語る経営者の目の輝き具合でその会社の将来性を占う投資家もいれば、数字が全てとばかりに電卓をたたきながら経営指標や投資指標とにらめっこを繰り返す投資家もいる。本当にさまざまである。だからIRに何が大事かと聞かれても一概には言えない。
ただ間違いなく言えることは、整斉とした事業活動とディスクロージャーを武器に、投資家を含むマーケットと真正面から向き合うことである。業績の悪い時こそ、その原因と対策を明確にし、その情報を発信すべきである。目利きの投資家、特に機関投資家はそこを見ている。また評価するのである。そうすることで中長期的に適正な株価(=企業価値)を維持することができ、企業・従業員・投資家全ての人が満足する経営が実践できているのと言えるのである。
その場合何よりも必要となるのは株主や投資家とのコミュニケーション能力である。良い情報も悪い情報も発信した後にさまざまな質問・照会といったリアクションがあり、それに対し如何に迅速かつ誠実に対応できるかによって、投資家の企業に対する評価は大きく左右される。多額の投資を行う投資家にとって新たに投資するにしても、反対に資金を引揚げるにしても正確性とスピードはきわめて大事な要素であり、質問に対しまともに回答できなかったり、回答の遅い会社は投資対象外に置かれる。一方的な発信で終わるPRとIRの違いはそこにある。
日経新聞にIRの記事が出ない日がないぐらいにIRが一般化してきた。IRを行っている会社とそうでない会社、またIRを行っていてもその上手下手で株価に大きく差がついている。同業種で業績もたいして差がないのに倍近く株価に差があるケースもある。株価によってM&Aが成功したり失敗したり、良い人材が採用できたり出来なかったり、そして何より社内の持株会を通じて多少なりとも自社株を有する社員のモラールが上下することを考慮すると、IRは単なる投資家向け広報活動などではなく、経営戦略そのものである。
「業績さえ良ければ株価は勝手についてくる」などとうそぶきIRを軽視する経営者は、現在では経営者失格であり、そのような経営者に仕える社員と株主は気の毒というほかない。
IRが上手く行われているかどうかは簡単に分かる。もちろん投資家向け説明資料が美しく仕上がっているとか、多額の費用をかけた個人投資家向けセミナーを何回行ったとかなどとは全く違う。次の質問に答えていただければすぐに分かる。
これらの質問にすらすらと答えられないようでは、とてもIRが上手くいっているとは言えない。当然ながら 6. を除き回答数字は大きいほど良い。それはなぜか。次回、その説明をしながら、教科書には出ていないIRの実務、つまり現実のIRを記述する。
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集計期間: 2008年6月22日-6月28日