トップページ > 職場でのトラブル > 終業後に職場外でなされたセクシャル・ハラスメントと使用者の責任
職場でのトラブル 2002年9月 1日 更新
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大阪地裁平成10年12月21日判決
セクシャル・ハラスメントについては、近時、裁判所の判断も多くなされています。
ノック知事の事件など記憶に新しいのでは?
セクシャル・ハラスメントの舞台としてよく登場するのが、職場です。
職場でセクシャル・ハラスメントが生じた場合、これによって職場環境が悪化した結果、退職を余儀なくされたケースにおいて、使用者に帰責事由があるとして賃金請求が認める裁判所の判断も出ています。
では、終業後に職場外でセクシャル・ハラスメントがなされた場合、会社にはもはや全く責任はないのでしょうか。
森善雄は藤原紀子の勤める株式会社中川運送の男性ドライバーである。紀子は森の下でオフィスビルの荷物集配の仕事を行っていた。しかし、体力的にきついということで、この春から、別の場所にある事務部門に配属してもらっていた。
終業後、紀子は、森らが企画した職場のメンバーによる飲み会に誘われ、森の隣に座るように命令された上、繰り返し身体を触られた。
このことが原因で、紀子は会社に出社しなくなった。
紀子は、森のほか、中川運送をも相手取って、不法行為を理由に慰謝料等を請求するとともに、紀子が出社できなくなったことは中川運送の責に帰すべき履行不能にあたるとして、賃金請求を行った。
一部認容(慰謝料100万円、弁護士費用10万円)。(会社の責任は認容。賃金請求は棄却)
裁判所は、終業後の職場外のセクシャル・ハラスメントについて、職務に関連させて上司たる地位を利用して行ったもの、すなわち事業の執行につき行われたものと評価しています。さらに、部署替えも紀子の体力を考慮した一時的なものであり、上下関係の切断はないとしています。
これらのことから、終業後の職場外でのセクシャル・ハラスメントについて、会社の使用者責任を認めています(民法715条)。
しかし、
について、会社の責めに帰すべき事由によるものとはいえないことを理由に、賃金請求は棄却しました。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日