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道路運送車両法の一部改正

平成14年7月17日 公布、平成15年4月1日 施行

 本年(2003年)の春より、改正道路運送車両法が施行されています。ポイントは、

  1. 不法投棄防止
  2. リコール推進
  3. 不正改造禁止

この3点を中心に、チェックしておけば安心です。

1. 自動車のリサイクル促進及び不法投棄防止のための改正

 使用済み自動車を確実にリサイクルし、また不法投棄防止を図るため、抹消登録制度が整備されました。

 使用済み自動車は年間約500万台も発生しています。そのうち2万数千台が道路や河川敷などに不法投棄されていることが環境省の調べでわかっています。使用済み自動車のうち、年間約500万台が登録を一時抹消されています。その大半がかなりの期間を経過した後に解体され、残りの一部が輸出、中古車として再登録されているのが実態です。

 従来の仕組みでは一時抹消登録後の実態をつかむことは困難でした。不法に投棄されても責任追及が難しかったのです。改正後は、その事実を陸運支局等で確認することができるようになりました。また、輸出に際しては、あらかじめ陸運支局等で手続きを終えなければ通関できないことになり、盗難車の輸出が防止されることになりました。

2. リコール制度に関する規定の見直し

 リコールとは、安全性や公害防止にかかわる欠陥が見つかった自動車について、メーカーが国に届け出たうえで回収し、修理する制度です。改正前はメーカーの自主的判断に任され、国には強制力がありませんでした。メーカーにとっては修理費用が負担となり、イメージダウンを恐れて、届け出をせず内密に修理する、リコール隠しが行われたこともあります。

 今回の法改正によって、国はリコールが確実に行われるよう「命令」を出すことが可能になりました(命令権の新設)。罰則も、報告義務違反に対する罰金を法人に対して最高2億円(従来は20万円)とするなど、大変厳しくなりました。
 また、自動車の後付け装置(チャイルドシート、タイヤなど)に対するリコール制度が新設されました。

3. 不正改造等の禁止等

 不正改造車両が交通上の危険や騒音等の公害をもたらしています。濃色着色フィルムの張り付け、爆音マフラーを装着などが代表的な不正改造車両です。

 こうした不正改造車の撲滅を図るために、不正改造等の行為そのものを禁止する規定が新設されました。自動車用品店や整備工場なども規制の対象。違反すると6ヵ月以下の懲役もしくは30万円あるいは50万円以下の罰金が科せられます。

 不正改造車のユーザーに対する整備命令手続も強化されました。整備命令に従わない場合は、最長で半年にわたって自動車検査証とナンバープレートを没収されるほか、不正改造部品を取り付けた自動車用品店・整備工場などにも罰則が適用されます。

 国土交通省は法改正と合わせ、不正改造車を抜き打ちで調べる「街頭検査」も強化し、暴走などにつながりやすい不正改造車を封じ込める考えのようです。

【禁止される改造の例】

  • 著しい騒音を生じさせる改造(消音器切断、違法マフラー取付等)
  • 走行安定性を損なうような車高上げ、路面接触等通行に支障をきたす車高下げ
  • 車体からはみだすような幅広タイヤの装着
  • 運転視界を妨げる着色フィルム


↑ 不正改造車両の例(国土交通省WEBサイトより)

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↑ 不正改造車両の例(運転者席および助手席の窓ガラスへの着色フィルムの貼り付け)

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↑ 不正改造車両の例(灯火類の灯光の色)

4. 整備管理者の選任義務の緩和

 自動車の技術進歩、使用実態の変化等を踏まえ、整備管理者を選任すべき範囲を、点検及び整備に関し特に専門的知識を必要とする大型トラック、バス等に限定しました。

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