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インターネットと情報財  2004年10月19日 更新

インターネットと情報財(4/4)

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 インターネットは世界につながっている。当たり前のことが実感できていなかったと思い知らされることがある。
 Webが動き始めて間もない頃、1995年だったと思う、研究室で開発したソフトウェアを英文で公開した。間もなく、アメリカのベンチャーからメールが届いた。「あなたたちは、我々の登録商標を無断で利用している、直ちにサイトを閉鎖せよ、さもなければ法的手段に訴える。」
 研究室で学生がつけたシステム名が米国で商標登録されていた。米国の登録が日本で何の意味があると言いたくなったが、裁判になり有罪にでもなれば、米国での研究活動に支障を来す。やむなく学生を説得し、Webサイトを閉鎖した。

 9.11の直後にウェイバックマシーンがサービスを開始した。情報学に関わる者に衝撃が走った。
 1996年頃からWebで公開された世界中の情報が300億ページもアーカイブされている。試みに研究室のURLを入力してみると、研究室開設当時のサイトにアクセスできた。懐かしいものに出会い嬉しいという気持ちと、いつの間に勝手なことをという気持ちが入り混じった。

 調べていくと、実に丹念にアーカイブされている。試みに「法、納得!」のURLを入れてみるといい。2000年12月から1か月刻みで記録が残っている。
 ポルノサイトを指定しても、8年前からのコンテンツを見ることができる。ふと恐ろしくなる。Webに公開した情報は全て、ネットを巡回するロボットによって収集され、アーカイブされている。一旦、アーカイブされれば消えることはない。永久に人類の目にさらされることになる。
 さらにこのサイトは、アーカイブを解析する研究を募集している。テキスト解析、画像解析を駆使すれば、個人の記事や写真を追うのも不可能ではない。
 プライバシーの問題はどうなるのだろう。サイトを運営する側の論理は明快だ。図書館が出版物を収集するように、彼らはWebで公開された情報を収集しているに過ぎない。公開に不都合があるサイトは、要求されれば公開をやめると。
 しかし、どれだけの人が、その要求を英語で書いて送れるだろうか。

 ところで、日本で同様のサービスが始められるだろうか。
 他人のコンテンツを無断で送信可能な状態におくことが違法なら、同様のサービスは許されない。しかし、世界にそのサービスを許す国があり、かつ、実際にサービスが提供されれば世界中で享受できる。インターネットには国境がないからだ。
 日本の著作権法で保護されていても、それが実質的な意味を持つとは限らない。自分のサイトには他人は関与できないと思い込んでいると大きな間違いだ。インターネットへの公開は、家の軒先にビラを張り出すのとは違うことのようだ。

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