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自転車による交通事故 -(1)現状と保険-

 出会いがしらの衝突や右左折時の車両による巻き込みなど、自転車事故の危険性はあちこちに潜んでいます。

 平成23年の自転車乗用中の交通事故件数は14万4,018件、死傷者数は14万3,738人。
交通事故全体の件数は減少している一方、ここ5年は交通事故全体の20%以上を自転車事故が占めており、東京都に至っては、これが37.3%と非常に高い割合になっています。

 このほとんどは自動車との事故で、多くの場合、自転車側が被害者になります。

 しかし、交通ルールを無視した自転車が歩行者と衝突するなど、自転車側が加害者となる事故も多数発生しています。
 たとえば、ペットボトル片手に下り坂をスピードを落とさず走行した自転車が、そのまま交差点に突っ込み、横断歩道上の歩行者と衝突して死亡させた事案では、運転者に6,779万円の支払いが命じられました(東京地裁平成15年9月30日判決)。

 賠償命令額が数千万円に及ぶ事案は他にもありますが、自転車には、自動車の自賠責保険のような、被害者救済に備える強制加入の保険がないため、保険未加入者が圧倒的に多く、実際に高額の損害賠償に対応するのは困難と思われます。

 あなたは、自転車事故にきちんと備えられていますか?
 事故前の備えと事故後の対応について、一緒に考えてみましょう。

 まず、自転車事故では、(1)自分の怪我、(2)相手の怪我、(3)相手のモノ(財産)を壊す という3つの被害が想定されます。

(1)自転車での転倒など、自分の怪我に備えるには「傷害保険」です。
損害保険各社で加入することができ、自分の生命・身体について保障が受けられます。

(2)相手の怪我や(3)相手の財産の破損については、「個人賠償責任保険」で備えることができます。
相手の生命・身体、財産をカバーする保険で、こちらも損害保険各社で取り扱われていますが、現在のところ、この保険単体では契約できません。
傷害保険、火災保険、自動車保険など、他の保険の特約として契約してください。

 また、(1)自分の怪我と(2)相手の怪我を保障するものとして「TSマーク付帯保険」があります。
これは、自転車安全整備店で点検整備を受けた自転車に貼られる「TS(Traffic Safery/交通安全)マーク」に、自分と相手の生命・身体を対象とした有効期間1年間の保険が付くというものです(自転車安全整備店の一覧は公益財団法人 日本交通管理技術協会に掲載されています)。

 ちなみに赤色TSマークでは、自分の怪我に対しては、入院15日以上で一律10万円、死亡・重度後遺障害(1~4級)で一律100万円が付与されます。
相手の怪我に関しては、死亡・重度後遺障害(1~7級)で最高2000万円が付与されます。

 最近では、立命館大学が自転車通学者全員に損害保険の加入を義務付けており、他の学校でも導入が検討されるなど、自転車の保険に対する注目は日々高まっています。

 次回は、自転車事故時の対処法と、事故後の法的責任について説明します。

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