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自転車による交通事故 -(2)事故の対処と法的責任-

 今回は、実際に自転車事故に遭った時の対処法と、その後の法的責任について説明します。

 事故直後は気が動転してしまい、判断力が衰えがちですが、まずは下記の5つを忘れずに行ってください。

  1. 怪我人の救護
    怪我人がいる場合はその手当が優先です。
    怪我の程度が軽くとも、必ず医師の診断を受けましょう。
  2. 道路上の危険防止
    路肩や歩道など安全な場所に自転車等を移動させ、二次災害を防ぎます。
  3. 警察への連絡
    警察官に調書を作成してもらい、後日、自動車安全運転センターに「交通事故証明書」を発行してもらいます。
    この「交通事故証明書」は保険会社に保険金を請求する際に必要となりますが、これは警察への届出がなければ発行されないので注意してください。
  4. 事故状況の確認
    相手の運転免許証などで名前、住所、連絡先等を確認し、事故の状況を簡単にひかえておきます。
  5. 損害保険会社への連絡
    すぐに事故の状況を損害保険会社や代理店に連絡します。

 自分が加害者の立場であれば、これに加え謝罪等の誠意ある対応が必要になります。
自動車保険と違い、自転車保険に関しては保険会社の示談代行が行われない傾向にあるため、こうした部分での意思疎通は後々の解決を促す重要な要素といえるでしょう。

 さて、自転車事故後に問題となる法的責任ですが、刑事上の責任と民事上の責任の2つがあります。

 刑法上の責任に関しては、前回紹介した判例のように、自転車運転者が交通ルールを破るなどして必要な注意を怠り、相手を死傷させた場合は、自転車運転者に重大な過失があったとして「重過失致死傷罪(刑法211条)」が成立します。
このときの罰則は5年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金です。

 特に歩道上での事故は、いくら自転車側が歩道通行できる条件を備えていたとしても、特別な事由がない限り、歩行者側は原則として過失なしと扱われます。
 自転車側に全面的な過失が認められてしまうので、歩道走行時には一層の注意をもって運転しましょう。

 次に民事上の責任ですが、加害者は被害者に対し、不法行為に基づく損害賠償責任を負います(民法709条)。
たとえ自転車を運転していたのが未成年者であっても、この責任を免れることはできません。実際に、高校生でも5,000万円(横浜地裁平成17年11月25日判決)、4,043万円(東京地裁平成17年9月14日判決)といった高額の賠償命令が下されています。

 加害者が12歳以下で責任能力がない場合は、親などの監督義務者が加害児童の代わりに賠償責任を負うことになります(同714条)。
 また、責任能力のある未成年者が起こした事故であっても、親の監督義務違反等が認められる場合は、親に損害賠償を請求することができます。

 以上のように、自転車は気軽な乗り物ですが、ひとたび事故になると大変な事態が待っています。
 これまで自転車の時はあまり交通ルールに気を配ってこなかった、という人も、これからはルール遵守に努めてみてくださいね。

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