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自転車の走行できる場所(走行事例編)

 以前の説明で、自転車走行時にはまず自転車道を優先し、自転車道がないときは(1)普通自転車専用通行帯や(2)自転車通行可な歩道、(3)車道を利用するのが道路交通法上のルールだと話しました。
 今回は、こうしたルールを念頭に、Aさんの走行するべき場所を一緒に検討してみましょう。

 Aさんは、普通自転車に乗って自宅を出発しました。

 自宅前の道路は片側一車線道路です。
 自転車道など通行すべき部分が特に見当たらなかったため、Aさんは車道の左端に寄って走行するよう定めた道路交通法18条に従い、車道の左端ぎりぎりを走ることにしました。

 A「側溝のふたや傾斜があって、すごく走りにくい!」

 ―こんな経験、よくありますよね。
 でも、この「左端に寄る」というのは、実は左端ぎりぎりという意味ではありません。
 そもそも、道路交通法の目的は「安全かつ円滑な交通」の実現ですから、側溝のふたなど車両の通行に適さない場所は除いたうえで、左端寄り(1~1.5m幅程度)を通行すれば良いのです。
 目安としては、自動車より左、左折車両より右のあたりと考えられています。

 
 このあと、片側二車線の道路に出たAさん。
 第一車線を通行していましたが(このときは左端を通る必要なし。同法20条1項)、前方に路上駐車の大型トラックが見えました。
 A「あれを避けないと。でも、第二車線に侵入してもいいのかな...?」

 ―侵入できます。
 追い越しをするときや、道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、第二車線を通ることができるのですが、今回は後者の「やむを得ないとき」にあたります(同法20条3項)。
 ただし、車線変更時は後方確認や手信号を用いるなど、周囲の車両の進行を妨害しないように気を付けましょう(同法26条の2第2項53条同法施行令21条)。

 
 しばらく走っていると、車道の端が青く塗られた道路にさしかかりました。
 普通自転車通行帯を示す標識・標示はどこにも見当たりません。
 A「表示されていないけれど、きっとこれは自転車通行帯だよね。このレーン内を通らなくちゃいけないんでしょ?」

 ―確かに普通自転車通行帯であれば通行すべきですが、いくらそれらしい外観をしていても、法令で定められた様式を備えたものでなければ普通自転車通行帯とはいえません。
 Aさんの見つけた道路は標識・標示がなく、様式に欠けていますから、Aさんは通常の道路を通行するときと同じように(片側二車線以上の道路ならば第一車線を、片側一車線道路ならば左端を)走行して構いません。

 
 A「あ、あそこに自転車道がある。」
 今度は自転車道を発見したAさんでしたが、その位置はこちらからちょうど道路を挟んで反対側でした。
 A「見た感じではあと200mほどで途切れているようだし、車道から入りにくそう。わざわざ道路を渡って通るほどじゃないかもしれないな。」

 ―自転車道がある場合、自転車はその中で対面通行が原則です。したがって、自転車道が進行方向の右側にある場合でも、道路を横断し、自転車道の左側を走ることになります。しかし、Aさんのように、短い自転車道を通るために頻繁に道路を横断しなければならないような状況や、車道から侵入しにくそうな状況にあるときは、「道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合」として自転車道の通行義務を免れます(63条の3)。

 次回は、Aさんが横断時に直面した問題について取り上げます。

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