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[裁判員制度] 辞退事由

 今回は、裁判員を辞退することができる場合について取り上げます。

 原則として裁判員を辞退することはできませんが、例外的にどのような場合に裁判員を辞退することができるかは、法律で決められています。以下の事由が認められるときは辞退することができます。

  • 70歳以上の人
  • 地方公共団体の議会の議員(ただし会期中に限ります。)
  • 学生、生徒
  • 5年以内に裁判員検察審査員などの職務に従事した人、3年以内に選任予定裁判員に選ばれた人及び1年以内に裁判員候補者として裁判員選任手続の期日に出頭した人
  • 一定のやむを得ない理由があって、裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人

 これらのうち、上の4つについては、当てはまるかどうか、はっきりしていますので、そのような事由があるときは、調査票にその旨の記載をすれば、辞退が認められることになるでしょう。

 問題は、最後の「一定のやむを得ない理由」です。

 

 裁判所は、「一定のやむを得ない理由」の例として

  • 重い疾病や傷害
  • 同居の親族の介護・養育
  • 事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがある
  • 父母の葬式への出席など社会生活上の重要な用務がある

を挙げています。これによると、単に「体力や気力に自信がない」「仕事が忙しい」といった理由では辞退できないことになります。

 最高裁は、2008年4月に裁判員への就任辞退を考慮する事例をまとめた事例集を作り、各地方裁判所に送りました。これは、職業や地域別に、裁判員になった時に、(1)悪影響があるか、(2)代わりの人がいるか、を分析し、裁判員への就任が難しいと思われる事例をまとめたもので、各地方裁判所は、これを参考に辞退を認めるかどうかを判断します。
 それによると、以下のような場合には辞退を考慮するそうです。

  • 「卒業・入学式シーズンの美容師」
  • 「飲食店のナンバー1ホステス」
  • 「仕込み時期の杜氏(とうじ)」
  • 「旅館の女将(おかみ)」
  • 「子供が受験直前の主婦」
  • 「降雪・積雪で裁判開催都市への移動が困難な遠隔地居住者」
  • 「種付け時期がずれると翌年の仕事がだめになるカキ養殖業者」
  • 「株主総会時期の経営者」
  • 「システムトラブル発生時に対応が求められる情報処理SE」
  • 「接待の必要がある営業職」
  • 「オーディションがあるテレビ出演者」
  • 「記者会見に出席しなければならない新聞記者」
  • 「ダイヤ改正時の鉄道会社の担当者」
  • 「初詣でや海水浴場などに近い店舗の書き入れ時のコンビニ従業員」
  • 「インフルエンザ流行時や花粉症の時期の一般診療所の医師」
  • 「学年初めや学年末の教師」

 今後も追加調査を行い、データベース化をする予定だそうですが、情報が蓄積されるまでは、職業・職種によって辞退が認められるか否かが変わってきそうです。

Q&Aコーナー

Q 辞退事由があれば、確実に辞退が認められるのですか?
A 辞退事由に当てはまる場合であっても、常に辞退が認められるわけではありません。特に「一定のやむを得ない理由」の場合、形式的に当てはまる場合であっても、実際の状況について事情を確認し、裁判員となることに支障がないようであれば、辞退が認められないこともあります。
Q 辞退を認めるかどうかは誰が判断するのですか?
A 裁判所が判断します。候補者に選ばれた際の調査票、事件ごとの候補者に選ばれた際の質問票、裁判当日の選任手続の3段階で、辞退を認めるかどうかを判断します。

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