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[裁判員制度] 捜査

 今回から刑事手続の流れについて説明をしていきます。今回は、捜査についてです。

 捜査が始まるきっかけはさまざまです。警察庁が発表している統計によると、最も多いのは、「被害者・被害関係者からの届出」で、以下、「職務質問」、「取り調べ」、「第三者からの届出」、「警備会社からの届出」となっています。

 捜査機関が犯罪を認知すると、捜査が始まるわけですが、捜査には大きく分けて2種類あります。法律の規定に基づいて、相手の承諾がなくても行うことができる捜査(強制捜査)と、それ以外の捜査(任意捜査)です

 少し例を挙げてみましょう。

 路上で血を流して倒れている人を発見した通りがかりの人の通報を受けた警察は、現場に急行し、倒れている状況、血痕の状況、争った形跡の有無などを確認しました。
 その後、聞き込みなどから被疑者を割り出した警察は、裁判官に逮捕状を請求し、被疑者を逮捕するとともに、被疑者の自宅に対する捜索差押許可状を請求。自宅を捜索したところ、凶器のナイフが発見されたため、そのナイフを差押えました。

 この例では、路上での確認、聞き込み、逮捕、捜索、差押えがなされていますが、このうち、路上での確認と聞き込みが任意捜査、逮捕、捜索、差押えが強制捜査です。
 強制捜査は、対象者の意に反して身柄を拘束したり、プライバシーを侵害するような行為を行うため、原則として事前に裁判官の許可を得ることにして、人権が侵害されないようにしているのです。

 警察に逮捕された被疑者は、48時間以内に検察官に身柄を送られ、通常は24時間以内に勾留請求がなされます。裁判官によって勾留が認められると、さらに最大20日身柄が拘束されることになります。

用語解説

 捜査の場面は、報道やドラマを通じてよく目にする機会がありますが、誤解されて使われている用語も少なくありません。そこで、以下では捜査の場面で登場する用語を紹介したいと思います。

被疑者
 捜査機関によってある犯罪を犯したと疑われ捜査の対象となったが、起訴されていない者のこと。マスコミでは「容疑者」と呼ばれることが多い。
職務質問
 異常な挙動などから犯罪を犯し、または犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者や、犯罪について知っていると認められる者に対して、警察官が呼び止めて質問すること。職務質問に付随して所持品検査を行うことが判例上認められている。例えば、挙動不審な者を呼び止め、手持ちのカバンを開いて見せるようにいうような場合がこれにあたる
任意同行
 相手から事情を聴くために相手の同意を得て警察署まで一緒に来てもらうこと。逮捕されているわけではないので、拒否することもできるし、途中で退席することもできる。しかし、実際には事実上の身柄拘束として行われることが多く、任意同行の後、逮捕されることも多い。
検証、実況見分
 検証も実況見分も、「警察官などが場所・物・人の身体の状態を目で見るなどして確認する」という行為自体は同じだが、それが相手の同意に基づいて(または公の場所で同意が不要な場合)なされた場合を実況見分といい、裁判官の検証令状に基づいてなされた場合を検証という。
身柄送検、書類送検
 「送検」とは、警察官が事件を検察官に送ること。身柄拘束を受けている被疑者が送検される場合を「身柄送検」、身柄拘束を受けていない被疑者が送検される場合を「書類送検」という

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