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[裁判員制度] 冒頭手続

 いよいよ今回から裁判員となったあなたが参加する法廷での手続となります。

 裁判長の「開廷します」の宣言の後、まず行われるのは"人定質問"です。これは、被告人が人違いでないことを確認するための手続で、被告人の氏名、本籍、住居、生年月日、職業を裁判長が尋ねます。その回答が起訴状記載のとおりであることを確認してから、次の手続に進みます。

 次は"起訴状朗読"です。起訴状は、検察官が起訴のために裁判所に提出する書類で、被告人に関する情報のほか、検察官が裁判を求める事件の要点(公訴事実)が記載されています。これは例えば以下のようなものです。

「被告人は、平成○年○月○日、○県○市...において、△△(当時38歳)を殺害しようと企て、所携の金属バット(長さ約65センチメートル)で同人の頭部を殴打し、よって、そのころ、同所において、同人を頭蓋底骨折に基づく外傷性脳障害により死亡させて殺害したものである。...罪名および罰条、殺人、刑法第199条」

 起訴状の朗読が終わると、裁判長はその内容について、被告人と弁護人に意見を求めますが、その前に、重要な告知をします。"黙秘権の告知"です。

「審理に先立って被告人に対して注意しておきます。あなたには、黙秘権という権利があります。この法廷で終始沈黙し、または、個々の質問に対して個別に答えを拒むことができます。何か話したいことがあればそれを話すこともできますが、この法廷で述べたことは、有利不利を問わず証拠として用いられることがありますから、そのことを念頭に置いて答えるようにしてください。」

 裁判長の言葉にもあるように、被告人は質問に対して回答を拒むことができます。これは、たとえ罪を犯した者であったとしても、その者に対して自分が有罪となるような供述を強いることはできないという思想から生まれたもので、憲法でも認められた被告人の権利です。裁判の冒頭でこのような告知をしておくことで、被告人の人権が侵害されないように配慮しているのです。

 この黙秘権の告知の後、被告人と弁護人が意見を述べます。俗にいう「罪状認否」と呼ばれるもので、ここで公訴事実を認める場合もありますし、そのような事実はないと主張したり、「殴ったのは事実だが、殺すつもりはなかった」などと一部を認める意見を述べることもあります。
 この認否によって、裁判所は、争点を明確にすることができるわけです。

 ここまでの手続を"冒頭手続"といいます。次回からは、証拠調べに入ります。

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