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[裁判員制度] 裁判員の守秘義務

 前回まで裁判の流れに沿って、裁判員制度の説明をしてきました。今回からは、流れの中では説明しきれなかった部分について、説明をしていきたいと思います。今回は、裁判員の守秘義務についてです。

 裁判員は、評議の秘密や職務上知りえた秘密について、他の人に漏らしてはならないとされています。また、その事件の裁判員または裁判官以外の人に、事件において認定すべきと考える事実もしくは量定すべきであると考える刑を述べたり、裁判所による事実の認定または刑の量定の当否を述べることも許されないとされています。これらに違反したときは、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金を科されることになります。

 たとえば、被害者などの事件関係者のプライバシーに関する事項や、自分以外の裁判員の氏名、評議でどのように票が割れたか、といった内容はすべて守秘義務の対象となります。
  また、審理中に「いま自分が担当している事件だけど、被告人が有罪であるとの印象を裁判員全員が持っている」とか、「自分が担当した事件だけど、他の人たちは傷害致死だと認定したが、私は今でも殺人だと思う」といったことを他人に話すことはできないということです。

 では、なぜ裁判員には守秘義務が課せられるのでしょうか。その理由として、事件関係者の保護というのは、わかりやすいと思いますが、もうひとつ、裁判員自身の保護という側面があります。評議の内容やその当否について、外に漏らすことで、事件関係者(被告人側だけでなく、被害者側も)からの働きかけや報復(いわゆる「お礼参り」)を受ける可能性があります。そういった行為から裁判員を保護し、評議で自由に意見を述べられるようにするという側面もあるのです。

Q&Aコーナー

Q 他に裁判員を保護するための制度としてどのようなものがありますか?
A 裁判員を保護するための制度として、以下のようなものが用意されています。
  • 裁判員を特定できる情報の公開の禁止
     現在裁判員である者を特定するような情報の公開を禁止するとともに、過去裁判員であった者の情報についても、本人の同意がない限り公開を禁止しています。ただし、罰則が課せられるのは、検察官・弁護人・被告人などが情報を漏らしたときに限られます。
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  • 裁判員に対する接触の禁止
     現在裁判員にである者に接触することを禁止するほか、職務上知りえた秘密を知る目的で過去裁判員であった者に接触することも禁止されています。ただし、罰則はありません。
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  • 裁判員に対する請託の禁止
     裁判員の職務に関し請託をしたり、裁判員の審判に影響を与える目的で事実認定や量刑に関して意見を述べたり、情報を提供することは禁止されています。これに違反した場合、2年以下の懲役または20万円以下の罰金に処されます。
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  • 裁判員に対する威迫の禁止
     現在裁判員である者、過去裁判員であった者、またはその親族に対して、面会、文書の送付、電話をかけるなど方法を問わず、威迫をした場合は、2年以下の懲役または20万円以下の罰金に処されます。また、裁判員候補者を威迫したときも同様の刑に処されます

 これとは別に、暴行・脅迫などを受ければ、それぞれの罪によっても罰せられることになります。

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