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[裁判員制度] 量刑について考える(2)

今回は、裁判員制度の対象事件で最も多い強盗致死傷罪の量刑についてみていきたいと思います。平成17年度から平成19年度の強盗致死傷罪で有罪判決となった事件の刑の分布は以下のようになっています(司法統計刑事事件編から集計)。

死刑17件
無期192件
30年以下9件
25年以下21件
20年以下119件
15年以下276件
10年以下485件
7年以下659件
5年以下697件
3年(実刑)44件
3年(執行猶予)136件
2年以上(実刑)3件
2年以上(執行猶予)3件
1年以上(実刑)1件

強盗致死傷罪の法定刑は、無期または6年以上の懲役(強盗致傷罪)、死刑または無期懲役(強盗致死罪)です。それを念頭に上の分布をみると、5年以下の懲役となっている事件が全体の3分の1を占めていることに驚かれるかもしれません。法定刑が6年以上となっている罪について、5年以下の刑を科そうとすると、少なくとも1つは減軽事由がなければならないということになります。つまり、裁判所は柔軟に減軽事由を認めているということになります。

次に、強盗致死・強盗殺人に絞って、被害者の数と刑についてみてみましょう。平成17年度から平成19年度に出された地裁判決で裁判所のホームページに掲載されていた33件についてみると、以下のようになります。

死者1名無期懲役24件
懲役20年2件
懲役15年2件
死者2名死刑4件
無期懲役1件

以上から、原則としては死者1名のときは無期懲役、死者2名のときは死刑という傾向がみえます。例外となったケースでは、被告人が進んで事件の解明に協力していたり、直接殺害行為に関与していないなどの特殊なケースです。検察官の求刑も、死者1名のときは無期懲役、死者2名のときは死刑のケースが大半です。強盗致死・強盗殺人については、検察官・裁判所の間で量刑の認識が一致しているともいえます。

次回は殺人罪について検討します。

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